第12章 守護霊【アズカバンの囚人】
そして試合日当日。
ハリーはグリフィンドール・チームの選手達と一緒に朝食を取りに行ってしまい、私とロンとハーマイオニーは一緒に3人で食事を取った。
「ハリー、大丈夫かしら。顔色は大丈夫そうだけど」
「思ったけどさ、アリアネはハリーに対して過保護だよね。母親かと思う時あるよ」
「そこは姉と言って欲しいわね」
ハリー達は食事を食べ終える前に、ウッドから『ピッチに急げ』と言われて大広間を出ようとした。
その時、レイブンクローのシーカーであるチョウ・チャンがハリーに声をかける。
「ハリー、頑張ってね!」
するとハリーは顔を真っ赤にさせていた。
それを見た私は『あら?』と顔がニヤけるのが分かったが、取り敢えず食事を掻き込んだ。
「よし、行こう!」
「あ、そこの3人待って」
競技場に行こうとすると、ラベンダー達に呼び止められた。
「応援する時、これをつけてちょうだい」
「薔薇?」
ラベンダーに渡されたのは深紅の薔薇。
グリフィンドールにピッタリなものであり、私達はそれを受け取ると胸に付けた。
「ありがとう、ラベンダー」
そして競技場にいけば、観衆の4分の3は深紅の薔薇飾りをつけているのに気がついた。
横断幕には『行け!グリフィンドール』や『ライオンに優勝杯を!』と書かれている。
「さあ、グリフィンドールの登場です!」
競技場では、リー・ジョーダンの声が響く。
「ポッター、ベル、ジョンソン、スピネット、ウィーズリー、ウィーズリー、そしてウッド。ホグワーツに何年に1度出るか出ないかの、ベスト・チームと広く認められています」
ジョーダンの解説にスリザリンからのブーイングが響く。
「そして、こちらはスリザリン・チーム。率いるはキャプテンのフリント。メンバーを多少入れ替えたようで、腕よりデカさを狙ったものかと」
ジョーダンの言う通り、スリザリンのチームはマルフォイ以外は全員がガタイが良い。
余計にマルフォイが小さく見えてしまう。
「なにを企んでいるのかしら。ガタイのいい人間ばかり集めて」
「嫌な感じがするなぁ」
「マルフォイが小さく見えるわね。アイツ、元々小さいけれど」
なんて3人で言い合っていれば、フーチ先生が前に出た。
「キャプテン、握手して!」
ウッドとフリントが歩み寄って握手するが、どうも平和的な握手じゃなかった。