第12章 守護霊【アズカバンの囚人】
お互い子指をへし折りそうなぐらいの握手に、私は顔を引き攣らせた。
「箒に乗って!さーん……にー……いちっ!」
フーチ先生の合言葉に14本の箒が一斉に飛び上がる。
ホイッスルの音は私たちの歓声で掻き消されていて、兎に角、私たちは大声でハリー達を応援した。
「さあ、グリフィンドールの攻撃です。グリフィンドールのアリシア・スピネット選手、クアッフルを取り、スリザリンのゴールにまっしぐら。いいぞ、アリシア!あーっと、だめか。クアッフルがワリントンに奪われました。スリザリンのワリントン、猛烈な勢いでピッチを飛んでます。ガッツン!ジョージ・ウィーズリーの素晴らしいブラッジャー打ちで、ワリントン選手、クアッフルを取り落としました。拾うさ、ジョンソン選手です。グリフィンドール、再び攻撃です!」
競技場には歓声とジョーダンの実況が響く。
「行け、アンジェリーナ。モンタギュー選手上手くかわしまた。アンジェリーナ、ブラッジャーだ。かわせ!ゴール!10対0、グリフィンドール得点!」
アンジェリーナが得点を入れた瞬間、グリフィンドールからはとんでもない歓声があがる。
その瞬間、フリントがアンジェリーナに体当たりをして、危うくアンジェリーナが箒から落ちそうになった。
「なんてことをするのよ!このクソスリザリン!」
「口が悪いぜ、アリアネ!」
観衆からブーイングが起きると、フリントは『悪い!悪いな、見えなかった!』と言う。
絶対にわざとなのにと思っていれば、フレッドがビーターの棍棒でフリントの後頭部に投げつけた。
「それまで!」
フーチ先生が叫んで、二人の間に入り込む。
「グリフィンドール、相手のチェイサーに不意打ちを食らわせたペナルティ!スリザリン、相手のチェイサーに故意にダメージを与えたペナルティ!」
「そりゃ、ないぜ。先生!」
アリシアがペナルティ・スローをして得点が入り、20点対0となった。
その後、またスリザリンがグリフィンドールへ卑怯な手で邪魔をしてペナルティをケイティが決める。
「30対0!ざまぁ見ろ、汚い手を使いやがって!卑怯者!」
「ジョーダン、公平中立な解説が出来ないなら」
「先生、ありのまま言ってるだけです!」