第2章 授業と決闘【賢者の石】
『飛行訓練は木曜日に始まります。
グリフィンドールとスリザリンの合同授業です』
その内容はすごく最悪だった。
薬学の授業だけ、スリザリンと一緒だと思っていたけれど飛行訓練まで同じだなんて。
「そらきた。お望み通りだ。マルフォイの目の前で箒に乗って、物笑の種になるのさ」
「そうなるとはかぎらないよ。あいつ、クィディッチがうまいっていつも自慢してるけど口先だけだよ」
「そうに決まってるわ。あいつの話、嘘くさいじゃない」
マルフォイはよく自慢するように話していた。
マグルの乗ったヘリコプターを危うくかわしたとか、なんとか長ったらしい自慢話を。
でも、自慢話をしているのはマルフォイだけじゃない。
シェーマスにロンも自慢している。
私は箒には何度か乗ったことがある。
育ての親に乗り方を教えてと無理に頼んで、何回か飛んでみたことはあった。
でも自慢する程の腕じゃない。
「こればっかりは、本を読んで暗記すればすむものじゃないわ」
ハーマイオニーは少しピリピリしていた。
確かに、箒を乗るのに本を暗記して済むものじゃない。
「実践あるのみよね。でも誰しも最初から上手く乗れるってわけじゃないわよ。ハーマイオニー」
「でも、乗れる子はいるでしょう?自慢話をよく聞くわ。でも、本か何か無いかしら·····図書館で探そうかしら」
「じゃあ、私も探すわ。ちょっと図書館に行ってみたいの」
ホグワーツの図書館は広くて凄いと聞いている。
でもまだ行ったことはなくて、この機会に行ってみるのが良いかもしれない。
そして私はハーマイオニーと一緒に図書館に来ていた。
想像以上の広さに驚きながら入れば、中では本が飛んでいたりとしている。
「何処かに飛行訓練関係の本は無いかしら·····」
「そうね·····手分けして探してみましょう」
ハーマイオニーと手分けして、飛行訓練関係の本を探す。
本棚を見ながら、どれが良いかしらと思いながら上の方も見ようと後ろに下がった時である。
「愛しき、お姫様。何を探しているんだい?」
耳元で囁かれて、驚いて振り返る。
そこには悪戯っ子の笑みを浮かべたフレッドの姿。
「フレッド·····!驚いたわ、急に耳元で喋らないでちょうだい」
「何を探しているんだ?アリアネ」
ニヤリと笑うフレッドにため息を吐きながら、私はまた本棚へと視線を戻す。