第12章 守護霊【アズカバンの囚人】
不安を覚えた3人は昼食を食べ終えると、急いでグリフィンドール塔へと向かった。
そして合言葉を言って談話室を入ると、ハーマイオニーの姿を見つけた。
ハーマイオニーは、『数占い』の教科書を開いてそれを頭の上に乗せてぐっすりと眠っている。
「は、ハーマイオニー……?」
「ハーマイオニー」
3人はハーマイオニーを突いてから起こした。
するとハーマイオニーはぼう……とした表情で目を開けてから辺りを見渡す。
「もう、クラスに行く時間?今度は、な、何の授業だっけ?」
「『占い学』だ。でもあと20分もあるよ。ハーマイオニー、どうして『呪文学』に来なかったの?」
「そうよ。珍しいわね、貴方が授業に来ないなんて」
「えっ?あーっ!」
ハーマイオニーは突然叫びながら立ち上がった。
顔は真っ青であり、とんでもないことをやらかしたと言わんばかりの表情。
「『呪文学』に行くの忘れちゃった!」
「忘れた?忘れようがないだろう?教室のすぐ前まで僕たちと一緒にだったのに!」
「なんてことを!フリットウィック先生、怒らってらした?ああ、マルフォイのせいよ。あいつのことを考えてたら、ごちゃごちゃになっちゃったんだわ!」
ハーマイオニーは涙声で声を荒らげるので、アリアネはハーマイオニーの背中を撫でて落ち着かせようとした。
「ハーマイオニー、言ってもいいかい?君はパンク状態なんだ。あまり色んなことをやろうとして」
「そんなことないわ!」
アリアネとハリーとロンは顔を見合せてから、首を傾げて彼女の様子がおかしい事に疑問を抱いた。
「ちょっミスしたの。それだけよ!私、今からフリットウィック先生のところに行ってきて、謝ってこなくちゃ……。『占い学』のクラスでまたね!」
そう言ってハーマイオニーは談話室を出て行ってしまった。
残された3人はまた疑問を抱きながらも、ハーマイオニーに続いて談話室を出た。
「やっぱりハーマイオニーっておかしいわよね。色んな授業に何故か出てるし、居たかと思えば居なくなったり……いなかったのにいたりとか……」
「そうなんだよなぁ。不思議だよね」
「でもハーマイオニーは何も言わないし、なんだろうね」
20分後、ハーマイオニーはトレローニーの教室に登る梯子のところで現れた。
酷く悩んだ様子であり、何処か落ち込んでいるようすでもある。