第12章 守護霊【アズカバンの囚人】
「マルフォイ!このカビの生えた脳みそめ!次こそ躾直してやる!」
「アリアネ!杖は駄目だって!」
マルフォイは鼻を殴らたせいで鼻血を溢れさせていて、鼻を押さながら更に後ずさった。
「行こう!」
マルフォイは逃げるようにその場を去り、地下牢に続く階段を降りていった。
「ハーマイオニー、アリアネ、杖を収めるんだ!」
「ハリー!」
するとハーマイオニーはハリーへと呼びかけた。
「ハリー!クィディッチの優勝戦で、何がなんでもあいつをやっつけて!絶対に、お願いよ。スリザリンが勝ったりしたら、私、とっても我慢できないもの!」
「私からもお願い、ハリー!マルフォイをコテンパにしてちょうだい!」
「わ、わかったよ」
ハリーは2人の圧に思わず答えた。
「もう『呪文学』の時間だ。早く行かないと」
「あ、もうそんな時間なのね。急ぎましょう」
4人は急いで大理石の階段をあがっていき、フリットウィックの教室へと向かった。
すると既に他の生徒たちは席に座っていて、4人は完全に遅刻状態。
「3人とも、遅刻だよ!」
「え?」
アリアネはフリットウィックの言葉に眉間の皺を寄せ、後ろを振り返ればハーマイオニーの姿がなかった。
「早くお入り。杖を出して。今日は『元気の出る呪文』の練習だよ。もう2人ずつペアになっているからね」
アリアネは1人残るので、ハリー達3人とペアを組むことになった。
そしてアリアネとハリー、ロンは急いで後ろの方の机に行って鞄を開ける。
「ハーマイオニーが居ないわ」
「どこに行ったんだろう?」
「さっきまで一緒にいたのに……」
「変だなぁ」
「きっとトイレとかに言ったんじゃないかな?」
だけどハーマイオニーは姿を現すことはなかった。
授業を終えてもハーマイオニーは姿を表さずに、3人は不思議だと首を傾げる。
「結局来なかったわね……」
「ハーマイオニーも、『元気の出る呪文』が必要だと思ったんだけど……」
ハーマイオニーは昼食にも来ることがなかった。
流石にこれはおかしいと、3人はハーマイオニーが心配になってくる。
「おかしいわ。昼食にも来ないなんて……」
「マルフォイがハーマイオニーになにかしたんじゃないだろうな」