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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第12章 守護霊【アズカバンの囚人】


リーマスが立ち去った時にアリアネは泣きたい気分になってしまった。
大好きな名付け親に呆れられてしまったのかもしれない、見限られたかもしれないと思ったからだ。

惨めであり泣きたい気分であり、とてもリーマスを追いかける気分にはならなかった。

「僕が悪いんだ」

ロンが唐突にそう言った。

「僕が君達に行けって勧めたんだ。ルーピン先生の言うとおりだ。バカだったよ。僕たち、こんなこと、すべきじゃなかった」
「そうね、軽率だったわ……こんなことするべきじゃなかったのよね」
「うん……」

3人はトロールが行き来するグリフィンドール塔に辿り着いた。
するとハーマイオニーがそこにいて、3人の姿を見つけるとこちらへとやって来る。

もしかしたらハーマイオニーはマクゴナガルに告げ口したのかもしれない。
3人は同時にそう思った。

「さそご満悦だろうな?それとも告げ口しにいってきたところかい?」

ロンがそう高圧的に言えば、ハーマイオニーは首を横に振った。

「違うわ」

ハーマイオニーは両手で手紙を握りしめている。
その手紙がしわくちゃになるまで握りしめてから、泣き出しそうにしていた。

「貴方達も知っておくべきだと思って……ハグリッドが敗訴したの。バックビークは処刑されるわ」
「なんですって!?」
「これを、これをハグリッドが送ってきたの」

ハーマイオニーが突き出した手紙を、ハリーが受け取りアリアネとロンはそれを覗き見た。
大粒の涙であちこちインクが滲んでいる。


ハーマイオニーへ

俺たちが負けた。バックビークはホグワーツに連れて帰るのを許された。
処刑日はこれから決まる。
ビーキーはロンドンを楽しんだ。
おまえさんが俺たちのために色々助けてくれたことを忘れねぇ

ハグリッドより

「こんなことってないよ。こんなこと出来るはずないよ。バックビークは危険じゃないんだ」
「マルフォイのお父さんが委員会を脅してこうさせたの」
「マルフォイ……ルシウス・マルフォイが……」

アリアネは怒りを感じた。
息子の傷は大したこともなく、マルフォイが悪いというのにあの男はそれでもバックビークを悪いことにしたいのかと。

「ルシウス・マルフォイ……あのクソ男!!また脅して自分の言いなりにさせたのね!」
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