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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第12章 守護霊【アズカバンの囚人】


「フリート、少し黙りたまえ。マルフォイ君の言うには、ウィーズリーと立ち話をしていたら、大きな泥の塊が飛んできて、頭の後ろに当たったそうだ。そのような事がどうやって起こりうるか、お分かりかな?」
「僕、分かりません、先生」
「私も分かりません、先生」

わざとらしく2人は驚いた顔を浮かべる。
そんな2人をスネイプは黒い瞳で、まるで抉るかのように見つめてきた。

「マルフォイ君はそこで異常な幻を見たと言う。それが何であったのか、ポッター、フリート、想像つくかな?」
「「いいえ」」

2人の声が重なる。
わざとらしく無邪気に興味があると言わんばかりの表情を浮かべるが、スネイプの目は疑いを向けているまま。

「ポッター、フリート、君達の首だった。空中日浮かんでいた」
「マルフォイはマダム・ポンフリーのところに行ったほうがいいんじゃないでしょうか。変なものが見えるなんて」
「可哀想に。腕を怪我しただけではなく、頭までおかしくなるなんて……」
「ポッター、フリート。君達の首はホグズミードでいったい何をしていたのだろうねぇ?」
「さあ?私達の生首はなにしてたんでしょうね?」
「君達の首はホグズミードに行くことを許されてはいない。君達の体のどの部分も、ホグズミードに行く許可を受けていないのだ」

スネイプの口調は柔らかいまま。
2人はその口調なやけにわざとらしく感じて、眉を寄せそうになるのを我慢した。

「わかっています。マルフォイはたぶん幻覚を」
「マルフォイは幻覚など見てはいない」

スネイプの口調が強くなった。
そしてアリアネとハリーの座っている椅子の肘掛に手をかけて顔を近づける。

「君達の首がホグズミードにあったなら、体のほかの部分もあったのだ」
「僕とアリアネはずっとグリフィンドール塔にいました。先生に言われた通り」
「誰か証人がいるのか?」

証人という言葉にアリアネとハリーは黙る。
するとスネイプの唇に笑みを浮かぶ。

「なるほど。魔法大臣はじめ、誰もかれもが、有名人のハリー・ポッターをシリウス・ブラックから護ろうとしてきた。しかるに、有名なハリー・ポッターは自分自身を法律だとお考えのようだ。一般の輩は、ハリー・ポッターの安全のため勝手に心配すればよい!有名人ハリー・ポッターは好きな所へ出かけて、その結果どうなるかなぞ、お構い無しというわけだ」
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