第12章 守護霊【アズカバンの囚人】
「僕も行く!僕もまだなんだ!」
「アー、ちょっと待って、あぁ、忘れてた。僕とアリアネ、昨日の夜、終わったんだよ!」
ネビルを振り切ろうとしたが、ネビルはそれでも一緒にいようとした。
「すごいや。なら、手伝ってよ!僕、あのニンニクのこと、サッパリ分からないんだ。食べなきゃならないのか、それとも……アッ」
その時、ネビルが言葉を途切れさせた。
そしてアリアネとハリーの肩越しで後ろを怯えたように見ているので、2人は振り返ってみる。
そこに居たのはスネイプ。
ネビルはスネイプが怖い為か、アリアネとハリーの後ろに隠れてしまう。
「ほう?3人ともここで何をしているのかね?奇妙なところで待ち合わせするものですな」
スネイプの黒い瞳は3人をじっと見つめる。
それから3人が居る両側の出口、隻眼の魔女の像を見ていく。
「僕たち、待ち合わせたのではありません。ただ、ここでばったり出会っただけです」
「ちょっと暇だったので散歩していたら、ハリー達と遭遇したんですよ」
「ほーう?ポッター、フリート。君達はどうも予期せぬ場所に現れるクセがあるようですな。しかもほとんどの場合、何も理由なくしてその場にいるということはない……。3人とも、自分のおるべき場所、グリフィンドール塔に戻りたまえ」
3人はそれ以上何も言わずにその場を離れる。
角を曲がる時、アリアネはちらりとスネイプの方へと視線を向けた。
スネイプが隻眼の魔女の頭を手でなぞり、何かを探っている。
(もし、アレが見つかったらどうなるのかしら……)
想像してからアリアネはゾクリとした。
その後、ネビルに吸血鬼のレポートを図書館に忘れたと言い、アリアネとハリーはネビルを振り切ってから4階へと急ぐ。
「思わない邪魔が入ったよ。まさかネビルとスネイプが現れるなんてさ……!余計な時間を食ったよ!」
「セブ、隻眼の魔女の像を念入りに調べてたわね。バレていなきゃいいんだけれど」
「確かに。地図で確認しよう」
地図を広げると、2人はスネイプが居ないかと確認した。
セブルス・スネイプの字は研究室にいて、2人は安堵の息を吐き出す。
そして隻眼の魔女のあの穴の中に入り、2人は駆け出した。
透明マントを被った2人は、ハニーデュークスの店の前にたどり着いてロンの背中を突く。
「僕とアリアネだよ」