第2章 授業と決闘【賢者の石】
そして次にハリーはセブの話を始めた。
するとハグリッドは、気にするなとハリーを慰める。
どうやら本当にセブは色んな生徒達に嫌われているようだ。
「でも僕のこと本当に憎んでるみたい」
「ばかな。なんで憎まなきゃならん?」
なんて言ったハグリッドだけど、何故か彼はハリーの目を真っ直ぐに見ていなかった。
ハグリッドの態度と言い、セブのあの言葉といい引っかかることばかり。
するとハグリッドは話題を変えるためなのか、ロンへと話を振った。
「チャーリー兄貴はどうしてる?俺は奴さんが気に入っとった。動物にかけてはすごかった」
チャーリーの話題を持ち出したハグリッドから、私はテーブルに視線を向けた。
そこには日刊予言者新聞の切り抜きが置かれていた。
グリンゴッツ侵入さる
七月三十一日に起きたグリンゴッツ侵入事件については、知らざれる闇の魔法使い、または魔女の仕業とされているが、捜査は依然として続いている。
グリンゴッツの小鬼たちは、今日になって、何も盗られたものはなかったと主張した。
荒らされた金庫は、実は侵入されたその日に、すでに空になっていた。
「そこに何が入っていたかについては申し上げれません。検索しない方が皆さんの身のためです」と、今日午後、グリンゴッツほ報道官は述べた。
あの新聞は家で読んだ内容。
それでモリーおばさんが、ウィーズリー家の一番上の兄であるビルをすごく心配していた。
ビルはグリンゴッツで働いているから。
そう思っていれば、ハリーが突然大きな声を出したのである。
「ハグリッド!グリンゴッツ侵入があったのは僕の誕生日だ!僕たちがあそこにいる間に起きたのかもしれないよ!」
「え!?ハリー、貴方の誕生日に!?」
七月三十一日がハリーの誕生日とは知らずに驚いてしまった。
だけど一番驚いたのは、ハリーの言葉にハグリッドが次ははっきりと目を逸らしたこと。
「ハリー、ロックケーキ、もっと食べるか?アリアネも食べろ。甘いの好きだろう?」
あからさまに話を逸らしている。
そして、ハグリッドは結局何も言わずに日が傾く前に私たちに帰るように促した。
ハリーは納得していない顔をしながらも、ハグリッドの小屋を出ていく。
そして私も小屋を出る前にハグリッドへと視線を向けて、気になっていたことを聞いた。