第12章 守護霊【アズカバンの囚人】
ネビルはという、面目丸つぶれである。
マクゴナガルからホグズミード行きを禁止され、ネビルに合言葉を教えてはならぬとグリフィンドール寮生に言い渡した。
しかも可哀想な事に、ネビルには祖母から吼えメールが届いたのである。
「なんなる恥さらし!一族の恥!!」
なんていう怒鳴り声が聞こえたものだから、アリアネはネビルを哀れに感じていた。
そんな時、ハリーの元にヘドウィグがやって来たのである。
「あ、ヘドウィグありがとう」
ヘドウィグが運んできたのは封筒。
その中にはメモが入っていた。
ハリー、アリアネ、ロン、元気か?
今日6時ごろ、茶で飲みに来んか?俺が城まで迎えにいく。
玄関ホールで待つんだぞ。3人だけで出ちゃなんねえ。
そんじゃな。
ハグリッド
「きっとブラックのことが聞きたいんだ!」
そして6時、3人は玄関ホールに向かった。
既にハグリッドは待っていて、3人を見るとニッコリと相変わらずの笑みを浮かべる。
「まかしといてよ、ハグリッド。土曜日のことを聞きたいんだろ?」
「そいつはもう全部聞いちょる」
「そう」
「聞いてるに当たり前でしょう。ハグリッドは教員なのよ」
3人はハグリッドに連れられて、小屋に辿り着いた。
小屋の中にはバックビークが寝そべって、大皿に盛られた死んでいるイタチに舌鼓を打っている。
ふと、ハリーとアリアネはハグリッドの箪笥の扉の前にぶら下がっている洋服に気が付いた。
毛のモコモコとした背広にネクタイである。
「ハグリッド、これ、いつ着るの?」
「バックビークが『危険生物処理委員会』の裁判にかけられる。金曜日だ。俺と2人でロンドンに行く。『夜の騎士バス』にベッドをふたっつ予約した」
ハグリッドの言葉に3人は申し訳なさが訪れた。
「ご、ごめんなさいハグリッド……私、手伝うって言っておいて何もしてなかったわ」
「構わん、構わん。何もしてないと言ってるが、ヒッポグリフの裁判の経歴を調べて俺に教えてくれたじゃねぇか」
アリアネは何日か裁判の経歴を調べて、それを羊皮紙にまとめてハグリッドに教えていた。
だがその後はハーマイオニーとの喧嘩で忘れてしまっていたのである。