第12章 守護霊【アズカバンの囚人】
「あさましい悪戯です!グリフィンドールのシーカーに危害を加えようとは、下劣な卑しい行為です!みんな処罰します。さらに、スリザリン寮は50点減点!このことはダンブルドア先生にお話します。間違いなく!あぁ、噂をすればいらっしゃいました!」
その様子をハリーは唖然として見ていて、アリアネは呆れたようにため息を吐き出していた。
そしてロンがこちらへと駆け寄ってきて爆笑していた。
「来いよ、ハリー!」
ジョージがそう叫び、ハリーを呼んだ。
「パーティーだ!グリフィンドールの談話室で、すぐにだ!」
「オッケー。行こう、アリアネ」
「うん。まったく、マルフォイは阿呆よね」
パーティーはまるでクィディッチ優勝杯を取ったような賑やかさだった。
一日中、夜まで続いたがマクゴナガル先生もそれを黙認していたので騒ぎは続く。
フレッドとジョージは1、2時間いなくなったかと思えば、2人は両手にバタービールの瓶にかぼちゃフィズ、ハニーデュークスの菓子が詰まった袋を抱えた戻ってきたのである。
そしてジョージが蛙ミントをばら撒き始めた時に、アンジェリーナ・ジョンソンが彼に聞いた。
「いったいどうやって持ってきたの?」
「ちょっと助けてもらったのさ。ムーニー、ワームテール、パッドフット、プロングス、レッドベアーにね」
フレッドがアリアネとハリーの耳元で囁いた。
「あの地図、ハリーが持ってたわよね?」
「俺らは全て記憶してるのさ」
ウインクするフレッドはアリアネにバタービールの瓶を渡した。
「飲もうぜ、アリアネ。お祝いだ」
アリアネはバタービールを飲みながら、ちらりとハーマイオニーの方へと視線を向けた。
彼女は祝宴に参加せずに分厚い本を読んでいて、アリアネとハリーはハーマイオニーの傍に寄る。
「はい、バタービール」
「え?あ、ありがとう」
「試合にも来なかったのかい?」
「行きましたとも」
ハーマイオニーはバタービールを受け取りながら、少しヒステリックぽく声をあげた。
「それに、私たちが勝ってとってもうれしいし、あなたはとてもよくやったわ。でも私、これを月曜までに読まないといけないの」
「いいから、ハーマイオニー、こっちへ来て、何か食べるといいよ」
「お菓子がたくさんあるのよ」