第1章 ホグワーツ魔法魔術学校【賢者の石】
すると、彼もおずおずといったように私の背中を手を回して抱きしめてくれる。
「僕も、ハグリッドから聞いてから会いたかったんだ、君に。両親が生きてる時は隣同士の家だったって聞いてたから」
「そうなの。だから、本当は幼馴染になる筈だったの。嬉しい……本当に会えて良かった」
「なんだか……初めて会った気がしないよ」
「初めてじゃないわ。1歳の頃までは会ってたはずだから」
そっか、だから彼を見た時に何処かで会ったような気がすると思ったんだ。
私は自分が感じた事に納得しながら、ハリーの顔を見つめる。
そして私は、彼の額にある稲妻の傷跡を見て眉を下げた。
これは【名前を言ってはいけないあの人】か付けたと聞いている傷跡。
それが今もこうして残っている。
「ハリー、これからよろしくね。同じホグワーツに通うなら、違う寮だとしても会うことはあるはずだから。会った時は仲良くしてね」
「もちろんだよ、アリアネ」
ハリーは少し嬉しそうに微笑んでいた。
たけどよく見れば、彼はロンと同い年の男の子なのにかなり痩せているような気がする。
それに眼鏡は傷だらけ。
(なんで、こんなに痩せてるんだろう……?)
不思議に思っている時。
列車の外から私とフレッドとジョージを呼ぶ、モリーおばさんの声が聞こえてきた。
「フレッド?ジョージ?アリアネ?どこにいるの?」
「ママ、今行くよ」
「アリアネ、行くよ」
「うん。じゃあハリー、あとでまた話しましょう」
「あ、うん」
ハリーに手を振ってから、私は双子と共に列車を飛び降りれば、直ぐにウィーズリー家の特徴である赤毛を見つける。
丁度、モリーおばさんはハンカチを取り出していた。
「ロン。お鼻になにかついているわよ」
モリーおばさんはロンをがっちを捕まえて、鼻の先をハンカチで擦り始める。
「ママ、やめて」
恥ずかしいのか、ロンはもがいてから何とか逃げ出していた。
そんなロンにニヤニヤとしている双子が近寄る。
「あらあら、ロニー坊や、お鼻になんかちゅいてまちゅか?」
「うるさい!」
「あら、そういえばパーシーはどこ?」
「こっちに歩いてくるよ」
するとさっき姿を消したパーシーが大股で歩いてきていて、既にホグワーツの制服に着替えていて、ホグワーツの監督生である証のPバッチも付けている。