第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】
その後、ハーマイオニーはロンがクルックシャンクスを蹴飛ばそうとした事に腹を立てて、ロンはクルックシャンクスがスキャバーズを襲ったことに腹を立てていた。
2人とも口をきこうとしないので、ハリーとアリアネは困り果てながら談話室で昼食までの時間を過ごすことにした。
「あれ、アリアネ。ピアス外したのかい?あの送られてきたの」
「うん。ハーマイオニーが外した方がいいんじゃないかって言うから」
「何をそんなに怪しむことがあるんだろう·····?」
そんな話をしていれば、ハーマイオニーはファイアボルトを不快そうに見つめていた。
そして昼食時間。
大広間へと向かえば、各寮のテーブルは端に寄せられて1つの長テーブルだけが中央にあった。
テーブルにはダンブルドアにマクゴナガル、スネイプ、スプラウト、フリットウィックが並んでいる。
(先生方はこれだけ·····リーマスは、居ないのね)
何となくアリアネはリーマスが来ていないだろうとはおもっていた。
少し落胆しながらもテーブルに近づけば、ダンブルドアが挨拶をする。
「メリー・クリスマス!これしかいないのだから、寮のテーブルを使うのはいかにも愚かに見えたのでのう。·····さあ、お座り!お座り!」
4人はテーブルの隅に並んで座ると、ダンブルドアはにっこりと無邪気に笑う。
「クラッカーを!」
子供のようにはしゃぐダンブルドアは、大きな銀色のクラッカーの紐をスネイプに渡す。
スネイプは嫌々受け取りながら、それを引っ張ると大砲のような音が響き、スネイプの頭にはハゲタカの剥製が乗った魔女の三角帽子が現れた。
「うっ、くっ·····ふふっ、ふっ」
「やめろよ、アリアネッ·····笑うなよッ」
「ロンだって笑ってるだろッ·····ふっ」
ボガートの授業を思い出したアリアネとハリーにロンは爆笑しそうになり、なんとか我慢する。
スネイプは不機嫌そうに顔を歪ませて、帽子をダンブルドアへと押しやった。
するとダンブルドアは面白がりながらも、それを自分で被った。
「どんどん食べましょうぞ!」
そしてクリスマスの宴が始まった。
アリアネがローストビーフを口の中へと入れて味わったいた時である。
大広間の扉が開いて、トレローニーが現れた。