第2章 授業と決闘【賢者の石】
「ネビル!聞こえる、ネビル!?大丈夫なの!?」
慌てた私が駆け寄ろうとした時、誰かに腕をがっしりと掴まえられていた。
驚いて振り向けば、セブが私の腕を掴んでいて、ネビルに近づけないようにしていたのだ。
「バカ者!」
そして私から腕を離すと、ネビルを怒鳴る。
魔法の杖を取りだし、一振するとこぼれた薬を取り除いていく。
「おおかた、大鍋を火から降ろさないうちに、山嵐の針を入れたんだな?医務室へ連れていきなさい」
ネビルはシェーマスに連れられて、シクシクと泣きながらクラスを出ていく。
するとセブは何故か、ネビル達の隣で作業をしていたハリーとロンに矛先を向けた。
「君、ポッター、針を入れてはいけないとなぜ言わなかった?彼が間違えば、自分の方がよく見えると考えたな?グリフィンドールはもう一点減点」
明らかに理不尽だ。
私は眉を寄せてから彼へと言葉を投げかけた。
「スネイプ先生!今のは明らかに理不尽です!」
「ちょ、アリアネ!辞めなさいよ」
「ハリーがわざと止めなかった?なぜそう分かるのですか!理不尽過ぎますよ」
私がセブに詰めよろうとすれば、ロンとハーマイオニーに腕を掴まれて止められる。
「黙りなさい、Ms.フリート。また、減点されたいのかね?」
「なっ!」
また、言おうとした所でロンに口を塞がれる。
モゴモゴとしていれば、ハリーも腕を引っ張ってセブから引き離された。
「ありがとう、アリアネ。でも辞めておいた方がいいよ。本当にまた、減点されるしね。僕も色々言いたいことはあるけれど」
「やめたほうがいい。スネイプはものすごく意地悪になるってみんなが言ってるよ」
「でも、今のは明らかに理不尽過ぎるわ!」
怒りが中々収まらない。
セブがあんなに理不尽な事を言ったり、意地の悪いことをするなんて思っていなかった。
優しい人だって思っていたのに。
怒りを抱えたまま、魔法薬学の授業は終了した。
結局マルフォイだけが注意されることなく、その後グリフィンドールが再度、減点をされることはなかったけれど注意ばかりされた。
「さっさと戻ろうぜ。こんな所、居たくないよ」
「私はちょっとスネイプ先生と話しがあるから残るわ」
私の言葉に、ロンとハリーにハーマイオニーがギョッとしていた。
「貴方まさか、フィルチの時のように喧嘩するつもりじゃないでしょうね!?」