第2章 授業と決闘【賢者の石】
彼は眉を寄せながら、言葉を続けた。
「教えてやろう、ポッター。アススォルデルとニガヨモギを合わせると、眠り薬となる。あまりに強力なため、『生ける屍の水薬』と言われている。ベゾアール石は山羊の胃から取り出す石で、たいていの薬に対する解毒剤となる。モンクスフードとウルフスベーンは同じ植物で、別名をアコナイトと言うが、とりかぶとのことだ」
彼の言葉を聞きながら、私は羊皮紙を取り出して全てをメモしながら書いていく。
今後役に立つことだろうし、覚えていて損じゃないだろう。
なんて思っていれば、セブは辺りを見渡して言い放つ。
「どうだ?諸君、なぜいまのを全部ノートに取らんのだ?」
慌てて、全員が羽根ペンで羊皮紙に書いていく。
その音にかぶせるように、セブが言う。
「ポッター、君の無礼な態度で、グリフィンドールは一点限定。また、Ms.フリート。君も無礼な態度をしたため、グリフィンドール、一点減点だ」
グリフィンドールは二点も減点されてしまった。
だけど、私も確かに失礼で無礼な態度をしてしまったから仕方ない。
顔見知りだからといって、見逃してくれないなんて本当にセブらしいと思ってしまった。
その後、魔法薬学の本格的な授業が始まった。
セブは二人ずつを組にしてから、おできを治す簡単な薬を調合させる。
「ハーマイオニー、一緒にしない?」
「ええ、良いわ。貴方となら上手くいきそうだもの」
そうして、ハーマイオニーと共に調合をしていく。
干しイラクサを計り、ヘビの牙を砕いたりしている間に、セブはマルフォイ以外全員を注意した。
もちろん私も注意されたけれど、どうやらセブはマルフォイがお気に入りのよう。
(あからさまな態度過ぎるわ·····)
そして、マルフォイが角ナメクジを完璧茹でたからと言って皆に見るように言った時である。
地下牢いっぱいに強烈な緑色の煙が上がり、シューシューと音がなっていた。
「なに·····なんの音!?」
「ネビルが失敗したのよ!」
ネビルは何故か、シェーマスの大鍋を溶かして捻れた小さな塊を作った。
しかも、零れた薬は石の床を伝って広がっていて、生徒たちの靴に焼き焦げ穴を作っていく。
「ネビル!?貴方、大丈夫なの!?」
そして、ネビルはぐっしょりと薬を被っていた。
腕や足のそこらに真っ赤なおできが出来ていて、痛いようで呻き声を上げている。