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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】


「私に対してまったく筋の通った話し方をするんで、なんだか意表を衝かれた気がした。吸魂鬼がほとんどブラックに影響をあたえていないことにね。しかもブラック派あそこでもっとも厳しく監視されている囚人の1人だったのでね、そう、吸魂鬼が昼も夜もブラックの独房のすぐ外にいたんだ」
「だけど、何のために脱獄したとお考えですの?まさか、大臣、ブラックは『例のあの人』とまた組むつもりでは?」
「それがブラックの、アー、最終的の企てだと言えるだろう」

何故か魔法大臣は言葉を濁した。
それが気になりながらも、私は顔を膝の間に埋めながら体を震わせる。

(ブラックは·····私の父さんと母さんを殺した·····裏切ったんだ)

そう思っていれば、カチャカチャという音が聞こえた。
誰かがグラスを置いたようだ。

「さあ、コーネリウス。校長と食事をなさるおつもりなら、城に戻ったほうがいいでしょう」

1人、また1人と足が消えていく。
そしてドアが開く音が聞こえて寒い風が頬を撫でていった。

「ハリー、アリアネ?」

名前を呼ばれたが反応出来なかった。
出来るわけがなかったのだ·····。


❈*❈*❈*❈*❈

ーthird person singularー


アリアネはハリーと共に無言でホグワーツ城に戻った。
2人ともどうやって戻ったのか正直覚えていないくらいであり、意識が無いとも言える状態だった。
そしてホグワーツ城に戻ってからアリアネはグリフィンドール塔へと戻ると寝室に籠った。

(誰も、なんで教えてくれなかったの·····)

リーマスもスネイプもダンブルドアもアーサー達もなにも教えてくれていない。
自分の両親とハリーの両親が、親友に裏切られて死んだという事実を。

「アリアネ?夕食の時間だけど·····」
「·····いらない、食べたくない」

ハーマイオニーは、気遣わしげに声をかけてくるがアリアネの返事はそれだけ。
その後は何も言わずにシーツの中に潜ってしまい出てこなかった。

「·····分かったわ。お腹すいたら言ってね、お菓子ならあるから」

返事はなかった。
ハーマイオニーは眉を下げながらも、アリアネから離れて大広間へと向かった。
寝室にはアリアネの1人だけ。
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