第2章 授業と決闘【賢者の石】
「吾輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえふたをする方法である。ただし、吾輩がこれまで教えてきたウスノロたちより諸君がまだましであればの話だが」
彼の言葉の後、クラスは静かになった。
私はウスノロとは呼ばれたくないから、魔法薬学ではきちんとしようと決める。
そんな時だった。
「ポッター!」
セブは何故かハリーのファミリーネームを呼ぶ。
「アスフォルデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じしたものを加えると何になるか?」
突然の質問にハリーは目をギョッとさせた。
ハリーは助けを求めるようにロンを見るが、彼は降参だという顔をする。
その次にハリーは私の顔を見るけれど、残念なことに私とハリーは席が離れていた。
教えてあげたいけれど、流石に距離があるから囁き声では言えない。
隣に座っていたハーマイオニーは手を挙げている。
だけどセブはそれが見えていないようにしていて、そんな彼に思わず眉を寄せた。
「わかりません」
彼の言葉にセブが笑う。
「チッ、チッ、チ。有名だけではどうにもならんらしい。ポッター、もう一つ聞こう。ベゾアール石を見つけてこいと言われたら、どこを探すかね?」
「わかりません」
「クラスに来る前に教科書を開いて見ようとは思わなかったわけだな、ポッター、え?」
嫌味のように言葉を放つセブに、私は驚いた。
まるでハリーを虐めるかのような質問に、そして言葉に唖然としてしまう。
そしてハーマイオニーはまた手を挙げているけれど、セブはそれを無視していた。
「ポッター、モンクスフードとウルフスベーンとの違いはなんだね?」
「わかりません。ハーマイオニーがわかっていると思いますから、彼女に質問してみたらどうでしょう?」
生徒が数人、ハリーの言葉が笑う。
そして私は手を挙げてから、立ち上がる。
「先程から、スリザリンの寮生がよく笑っているようですがどうやら全部分かるようです。笑って余裕があるスリザリン寮生を当てたらよろしいのではないでしょうか?スネイプ先生」
私は眉を寄せながらそう言うと、セブは不愉快そうに眉を寄せていた。
だけどそんな顔をしたいのは私だって同じだ。
なんで先程から、ハリーに嫌味を言ったり突然習ってもいない事を質問したりするのだろう。
まるで嫌がらせのようだ。
「座りなさい」