第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】
そう呼びかけると、4人が気まずそうな表情を浮かべながら顔を出した。
「何時からそこに居たのよ……」
「えっと、僕とハーマイオニーはセドリックが君に告白した時から……」
「僕とルーピン先生は、ちょうどその時にここに来て……」
「盗み聞きは悪いと思ったのよ?でも、ちょっと気になって……」
「すまないね……アリアネ」
4人はそう謝罪しながらも、何処か興味津々といった表情でもあった。
するとロンはセドリックが去っていった方を見ながら、私へと視線を向ける。
ニヤニヤとしている顔で。
「なんで告白断ったのさ!相手はハッフルパフの王子様で有名なセドリック・ディゴリーじゃないか!断るなんて勿体ないじゃないか!」
「勿体ないって……ロン、貴方ね、アリアネの気持ちが1番大事なのよ!」
「でも、友人でいたいなんて……ありがちな振り方だよなあ」
ロンは楽しそうにしているが、途中であることを思い出したような表情になっていた。
「そういえば、フレッドとジョージもいたんだよな……途中で」
「え?」
「ああ、いたね。途中で2人ともどこかに行ってしまったが……」
フレッドとジョージも居たなんて……と私は顔を赤くさせていく。
だけど途中で行ったとは知らなかったと思いながら、私は未だに気まずそうにしているリーマスを見上げた。
「なんで気まずそうなの?リーマス」
「娘のような君が告白されている場面を見て、なんとも言えない気分になってね……」
「そう……なのね」
「でも、なんだか成長を感じた気がするよ」
「なんで告白されてる場面で!?と、とにかく……私がセドリックに告白されていたことは忘れてちょうだい!恥ずかしいから!」
その言葉にロンはつまらなさそうにしていたが、ハリーとハーマイオニーとリーマスは忘れてくれると頷いてくれた。
『でも、僕は君を諦めたわけじゃないのは知っていて欲しい』
セドリックのその言葉がどうしても頭から離れなかった。
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「え、じゃあリーマスに吸魂鬼の対処法を教えてもらうことになったの?」
夜の談話室にて、ハリーからそう教えられた。
ハリーが頼んだらしくて、また吸魂鬼に襲われた時の為にと。
「うん。でも来学期まで待たなくちゃいけないんだ」
「そっか。でも教えてもらえたらその方がいいわよね。ハリーも自分を守れるし」