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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】


中庭へと向かうと、セドリックの後ろ姿を見つけた。
何処かソワソワとしている姿に首を傾げながらも、私は彼の肩を叩く。

「セドリック」
「あ……やあ、アリアネ。突然呼んでごめんよ」
「大丈夫よ。どうしたの?」
「うん……少し、向こうで話をしたいんだけど良いかな?」
「良いわよ」

セドリックは緊張したような面持ちをしながら、私を少し人気のない場所に連れてきた。

「それで、どうしたの?」
「……君に伝えたいことがあってね」
「伝えたいこと……?」

彼は息をゆっくりと吸ってから、私の手を取った。

「アリアネ。僕は君の事が好きだ」
「……え」

一瞬だけ、時間が止まったような気がした。
セドリックからの言葉を理解するのに、時間がかかり、まるで魚のように口をパクパクとさせる。

「え……?」
「君のことが好きなんだ。実はね、一目惚れだっんだ……。組み分け帽子の時、初めて見た時から」
「ひ、一目惚れ……?」
「うん」

セドリックの目元が赤く染まっていた。
そんな彼に私は戸惑いながら、顔を俯かせる。

(一目惚れ?私に……?)

初めて告白されたこと、セドリックに想われていたことが分からずにいた事に戸惑う。

「君がよければ、僕の恋人になってほしいんだ」

真っ直ぐに見つめられて、私は戸惑った。
だけど、セドリックの事は友人としての好意は持っているけれど……と悩んだ。

「私……ごめんなさい、セドリック。私、貴方のこと、友人として、見ているの」
「うん……」
「だから……ごめんなさい……」
「そっか」

セドリックは眉を下げて、悲しげに微笑んだ。
その表情にズキッと心が痛むのに気がついた。

「君は今、好きな人がいたりするのかい?」
「いないわ……」
「じゃあ、まだチャンスはあると思ってもいいのかな。君が僕の事を好きになってくれるというチャンスが」
「え?」
「諦めが悪いんだ、僕。だから、まだチャンスはあると思っているよ」

彼はそう言って柔らかい微笑みを浮かべた。
その笑顔はとても眩しくて、私は小さく笑みを浮かべる。

「そっか……」
「ありがとう、告白の返事をちゃんとしてくれて。だけど、気まずくなりたいわけじゃないんだ。これからも友人として接してほしい」
「わかったわ」
「でも、僕は君を諦めたわけじゃないのは知っていて欲しい」
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