第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】
「目の前をピョンピョン跳ぶ━━。人がそれについていく━━すると━━」
すると終業のベルが鳴る。
皆は荷物をまとめて、口々に喋りながら出ていく中で私とハリー達も荷物をまとめていた。
だが、私はリーマスの話をしようと思って残っていればリーマスはハリーに声をかける。
「ハリー、ちょっと残ってくれないか。話があるんだ」
「私も残っても大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ」
リーマスはニッコリと微笑みながら、『ヒンキーパンク』の箱に布を覆いかぶせていた。
そして本を鞄に収めながら話し出す。
「箒は残念だったね。修理することはできないのかい?」
「いいえ。あの木が粉々にしてしまいしまた」
「あの『暴れ柳』は、私がホグワーツに入学した時に植えられた」
「そんなに前からあるのね、あの木」
「ああ、結構古いだろう?皆で木に近づいて幹に触れられるかどうかゲームをしたものだ。しまいにデイビィ・ガージョンという男の子が危うく片目を失いかけたものだから、あの木に近づくことを禁止されてしまった。箒などひとたまりないだろうね」
「先生は吸魂鬼のこともお聞きになりましたか?」
リーマスはハリーの言葉に静かに頷いた。
「ああ。聞いたよ。ダンブルドア校長があんなに怒ったのは誰も見たことがないと思うね。吸魂鬼たちは近頃日増しに落ち着かなくなっていたんだ。……校庭内に入れないことに腹を立ててね。……たぶん君は連中が原因で落ちたんだろうね」
「はい」
その時、扉がノックされた。
そこに居たのはハーマイオニーであり、少し心配そうに中を覗く。
「どうしたんだい?ハーマイオニー」
「あ、お話を中断させてごめんなさい。あの、アリアネに用が……」
「私?」
「うん。あのね、セドリック・ディゴリーって人が貴方を呼んでいるの」
「……セドリックが?」
私はキョトンとした。
そしてハリーとリーマスを見てから、椅子から立ち上がってから扉の方へと駆け寄る。
「私、行ってくるわ」
「行ってらっしゃい」
「ハーマイオニー、教えてくれてありがとう。セドリックはどこにいるの?」
「中庭よ」
「ありがとう」
私はハーマイオニーにお礼を言ってから、セドリックがいるという中庭へと向かった。
(どうしたんだろう……?私を呼ぶなんて、今までなかったのに)