第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】
「ハーマイオニー!何処に行ってたの!?」
「ハリーのメガネに防水してきたのよ!!」
「なるほどね!それならハリーも試合がしやすそうだよ!」
ハーマイオニーの魔法のおかげで、ハリーの動きはとても良くなっていた。
だが、そんな中でセドリックが上空を猛スピードで飛んでいきハリーも追いかけ始める。
彼らの頭上にはスニッチがあったのだ。
スニッチを追いかけるハリーとセドリックを見ていたアリアネは突然『あっ!!』と叫んだ。
何せピッチには100人とも言える吸魂鬼が集まっていたからだ。
そしてハリーがガクンと体を跳ねさせたかと思えば、彼は徐々に落ち始めた。
「ハリー!!」
❈*❈*❈*❈*❈*❈*❈
「地面がやわらかくてラッキーだった」
「絶対死んだと思ったわ」
「それなのにメガネさえ割れなかった」
「ハリーが無事で良かったわ……」
ハリーは吸魂鬼に襲われて意識を失い、そのまま落下したのであった。
急いで医務室に運ばれて、アリアネはハリーが無事で良かったと涙を浮かべて、ハーマイオニーはしゃっくりを時折漏らしながら泣いていた。
すると、薄らとハリーが目を開けた。
その瞬間、アリアネは思わず彼に抱きついていたのだ。
「ハリー!良かった!良かった……!」
「アリアネ……?」
「ハリー!」
アリアネは号泣しながら、フレッドは泥まみれで真っ青な顔をしていてハリーは驚いた。
「僕、どうなったの?」
「君、落ちたんだよ。ざっと……そう……20メートルかな?」
「みんな、あなたが死んだと思ったわ」
ハーマイオニーが『ひくっ』と小さく声をあげる。
「でも、試合は……試合はどうなったの?やり直しなの?」
彼の言葉に誰も何も言わない。
そんな皆にハリーは顔を真っ青にさせていく。
「僕たち、まさか……負けた?」
「ディゴリーがスニッチを取った。君が落ちた直後にね。何が起こったのか、あいつは気がつかなかったんだ。振り返って君が地面に落ちているのを見て、ディゴリーは試合中止にしようとした。やり直しを望んだんだ。でも、向こうが勝ったんだ。フェアにクリーンに……ウッドさえ認めたよ」
「ウッドはどこ?」
「まだシャワー室の中さ。きっと溺死するつもりだぜ」