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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】


「せ、セドリック……!?」
「君が僕と同じ寮だったら良かったな」

少しだけ目を伏せて呟くその表情は、妖艶にも近いものでありアリアネは頬を赤く染める。

「じゃあ、僕はそろそろ行くよ」
「あ、試合の時怪我しないようにね……!」
「ありがとう」

爽やかな笑みを浮かべながらセドリックは手を振り、その場を去っていく。
アリアネはそんな彼の背中を見送りながら、セドリックに口付けられた髪の毛を撫でた。

「……恥ずかしいわね、ちょっと」

そう呟きながら、大広間へと向かうのだった。


試合が始める少し前。
雨は酷くなる一方であり、止む様子は無ない。
アリアネとロンとハーマイオニーは1番試合がよく見える席を陣取りながら大きな傘を差しながら眉間に皺を寄せていた。

「酷い雨ね!」
「こんな時に試合するなんてイカレてるよ!!」
「ハリー達怪我しなきゃいいけど!!」

暴風と豪雨のせいで声がよく聞き取れない為、3人は叫びながら会話をしていた。
暫くすると、グリフィンドールチームが出てきたので歓声を送るが雷鳴のせいでかき消されてしまう。

「これじゃ声援も聞こえないよ!!」
「なんですって!?」
「声援も!!聞こえないよ!!って、言ってるんだよ!!」
「そうね!!」

ピッチの反対側からはカナリア・イエローのユニフォームを着たハッフルパフのチームが出てくる。
キャプテン同士が握手をする時、セドリックが現れてウッドと握手を交わした。
そして選手達は箒に跨り、それを見たフーチがホイッスルを吹き、試合が始まる。

ハリーは急上昇していき、ハリーのニンバスが風に煽られているのが見えてアリアネはハラハラとしていた。
解説者が何か言っているが、それも聞こえずに歓声も聞こえない。

「あっ!ハリーにブラッジャーが!」
「おち、落ちなかった!良かった!!」

ハリーの元にブラッジャーが2度もぶつかりそうになり、その度に3人はハラハラとしていた。
稲妻が走った時、フーチがホイッスルを鳴らしたのが聞こえる。

「試合、どうなってるの!?」
「グリフィンドールが50点リードしてる!」
「あら?ハーマイオニーは!?」

チラリとアリアネが横を見れば、ハーマイオニーの姿が無かった。
どうしたのだろうと心配していれば、彼女は直ぐに姿を現す。
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