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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】


「先生、何か手がかりは?」
「いや。ここは大丈夫なのか?」
「異常なしです。先生」
「よろしい。何も今すぐ全員を移動させることはあるまい。グリフィンドールの門番には臨時の者を見つけておいた。明日になったら皆を寮に移動させるがよい」

ダンブルドアの言葉に、アリアネはうっすらと目を開けてから話に耳を傾けた。

「それで、『太った婦人』は?」
「3階のアーガイルシャーの地図の絵に隠れておる。合言葉を言わないブラックを通すのを拒んだらしいのう。それでブラックが襲った。『婦人』はまだ非常に動転してるおが、落ち着いてきたらフィルチに言って『婦人』を修復させようぞ」

すると、大広間の扉が開く音が聞こえた。
そして足音がこちらに近寄ってくるのを感じて、アリアネは慌てて目を閉じる。

「校長ですか?」

それはスネイプの声だった。

「4階はくまなく捜しました。ヤツはおりません。さらにフィルチが地下牢を捜しましたが、そこにも何もなしです」
「天文台の塔はどうなね?トレローニー先生の部屋は?ふくろう小屋は?」
「全て捜しましたが……」
「セブルス、ご苦労じゃった。わしも、ブラックがいつまでもぐずぐずのこっているとは思っておらなかった」
「校長、ヤツがどうやって入ったか、何か思い当たることがおありですか?」

スネイプの声はやけに低かった。
それに気が付いたアリアネは目をまたうっすらと開けてから、彼の姿を視線をさ迷わせて探す。
するとスネイプがこちらへと向き直るので、彼女は慌てて目を閉じた。

(なんだか、いつもより声が低いわ……。怒ってる?焦ってるの?……分からないけど、いつもと違う)

少しの違和感を感じながらアリアネは話に耳を傾けた。

「セブルス、いろいろとあるが、どれもこれも見な有り得ないことでな」
「校長、先日の我々の会話を覚えておいででしょうな。たしか、あー、一学期の始まった時の?」
「いかにも」
「どうも、内部の者が手引きなしには、ブラックが本校に入るのは、ほとんど不可能かと。吾輩は、しかとご忠告申し上げました。校長が任命ーー」
「この城の内部の者がブラックの手引きをしたとは、わしは考えておらん」

ダンブルドアの言い方は、まるでこの話題は打ち切るかのようなものだった。
そしてスネイプに二の句を継がせない言い方。
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