第2章 授業と決闘【賢者の石】
ロンは、私の隣にいるハーマイオニーを見てからあからさまな表情をする。
「おはよう、ロナルド・ウィーズリー。朝から凄く失礼な顔ね」
「君がいるからだよ·····」
ボソボソと呟くロンにため息をついていれば、ハーマイオニーは牛乳を飲んでから立ち上がる。
「アリアネ、ちょっと早いけれど私は次の授業のクラスに行ってるわ」
「分かったわ。後で会いましょうね」
「ええ。それじゃあ」
ハーマイオニーはロンを見るとふんっと鼻を鳴らしてから歩いて行ってしまった。
この二人はどうも折り合いが悪いというか、仲良くならないのかなあと苦笑を浮かべる。
「そういえば、今日はなんの授業だっけ?」
隣に座ったハリーはオートミールに砂糖をかけながら、ロンに尋ねる。
「スリザリンの連中と一緒に、魔法薬学さ。スネイプはスリザリンの寮監だ。いつもスリザリンを贔屓にするってみんなが言ってる。本当かどうか今日わかるだろう」
そういえばと、思い出した。
あの後何回かセブの姿を見かけたけれど、彼はよくスリザリン寮生と話していた。
スリザリンの寮監なのは知らなかったけれど。
「マクゴナガルが僕たちを贔屓にしてくれたらいいのに」
「でも、あまり贔屓にするのは良くないことよ。教師は本来、公平に生徒に接するべきだもの」
ハリーの言葉にそう答えながらも、私はその言葉のあとに『でも、贔屓はして欲しいわね』と付け加えた。
マクゴナガル先生はグリフィンドールの寮監だけれど、たっぷりと私たちに課題を出してくれたのだ。
そして私がオートミールを食べ終えた頃、ハリーのフクロウであるヘドウィグが飛んできた。
そしてマーマレードと砂糖入れの間にパタパタと降りて、手紙を置く。
ハリーは急いで手紙を開けてから中を読み、私が手紙を覗きこめば内容は私がハグリッドに送られた手紙と一緒だった。
「·····アリアネも、ハグリッドから手紙届いた?」
「届いたわ。ハリーと一緒に行くってさっき返事を書いたけれど、ハリーも書いた方がいいわ」
「そうするよ。ロン、羽根ペン借りてもいいかい?」
「いいよ」
ハリーはロンの羽根ペンを借りると、手紙の裏に返事を書いてからヘドウィグに渡して飛ばす。
「楽しみだね、ハグリッドとのお茶会」
「そうね。ハグリッド、何かと気にかけてくれているし、優しい人よね」