第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】
「貴方たちは何をしていたの?宿題はやった?」
「ううん。アリアネと一緒にルーピン先生が紅茶を入れてくれたからそこでお茶してた。それからスネイプが来て……」
ハリーはスネイプがリーマスにゴブレットを持ってきたことを2人に話した。
するとロンは口をパカッと開けてか驚いた表情を浮かべる。
「ルーピンがそれ、飲んだ?マジで?」
するとハーマイオニーが腕時計で時間を確認した。
「そろそろ下りた方がいいわ。宴会があと5分で始まっちゃう……」
「もうそんな時間なのね」
アリアネも腕時計を見てから立ち上がり、ロンとハーマイオニーがくれたお菓子を袋に詰めた。
そして4人は急いで肖像画の穴を通り抜けてから歩いていたが、話の内容はリーマスがスネイプから薬を受け取っていたこと。
「だけど、もしスネイプが、ねえ」
「もし、スネイプがほんとうにそのつまり……ルーピンに毒を盛るつもりだったら、ハリーとアリアネの目の前ではやらないでしょうよ」
「ウン、たぶん」
4人は大広間へと入れば、大広間は盛大な飾り付けがされていた。
何百ものくり抜かれたカボチャに蝋燭がともり、生きたコウモリが飛んでいる。
燃えるようなオレンジ色の吹き流しが、まるで海蛇のようにくねくねと泳いでいた。
食事も素晴らしいもの。
4人は食事を楽しんだり、ホグズミードの話を聞いたり話したりとしていた。
その中でアリアネはチラリと、リーマスとスネイプを交互に見た。
(セブは恐らく……)
おおよその検討はついていた。
だがアリアネはそれをハリー達には伝えない、伝えるつもりはなかった。
食事後、4人はわいわいと話しながらグリフィンドール塔へと向かっていた。
「ハニーデュークスのお菓子、食べるの楽しみだわ」
「美味しいのが沢山あったのよ。アリアネが好きなチョコもあったのよ。買ってあるから食べて」
「ん?」
4人が『太った婦人』に繋がる廊下まで来れば、何故か生徒がすし詰め状態となっていた。
「詰まってるわね……」
「何故かしら?」
「なんでみんな入らないんだろう?」
何故だろうとアリアネは背伸びして見てみれば、肖像画が閉まったままだった。
「肖像画が閉まってるわ……」
「通してくれ、さあ」
すると、後ろからパーシーの声が聞こえてきた。