第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】
「バカなこと言わないで。クルックシャンクスとジークは臭いでわかるのよ、ロン。ほかにどうやって」
「その猫と梟、スキャバーズに恨みがあるんだ!いいか、スキャバーズのほうが先輩なんだぜ。その上、病気なんだ!」
ロンは怒りながら談話室を横切って、寝室へと向かっていってしまった。
そんな姿を見ながらアリアネは肩を竦めながら、肩に止まって目を瞑るジークを撫でる。
「おかしいのよねえ。ジーク、お腹いっぱいご飯を食べたとしてもスキャバーズを追い掛けるのよ」
「なんでだろう?おもちゃと思ってたりするのかな?」
「分からないわ。でもスキャバーズが、私に近寄ろうとしたら怒りながら追い掛けるのよ」
アリアネは首を傾げながら、頬を擦り寄せるジークを撫で続けるのだった。
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翌日。
変身術の授業終わり、ハリーとアリアネはマクゴナガルにホグズミードに行っていいか聞くためにソワソワとしていた。
「みなさんは全員私の寮の生徒ですから、ホグズミード行きの許可証をハロウィーンまでに私に提出してください。許可証がなければホグズミードもなしです。忘れずに出すこと!」
その時、ネビルが手を挙げた。
「あのー、先生、ぼ、僕、なくしちゃったみたい」
「ロングボトム、あなたのおばあさまが、私に直送なさいました。そのほうが安全だと思われたのでしょう。さあ、それだけです。帰ってよろしい」
「いまだ。行け」
ロンはハリーに声を殺して促した。
「あの、マクゴナガル先生」
「何ですか、ポッター?」
「先生、叔父、叔母が、あの許可証にサインするのを忘れました。それで、あの、だめでしょうか。つまり、かまわないでしょうか、あの、僕がホグズミードに行っても?」
「だめです。ポッター、いま私が言ったことを聞きましたね。許可証がなければホグズミードはなきです。それが規則です」
ピシャリとマクゴナガルは言い放った。
「でも、先生。僕の叔父、叔母はご存知のように、マグルです。わかってないんです。ホグワーツとか、許可証とか。先生が行ってもよいとおっしゃれば」
「私は、そう言いませんよ。許可証にははっきり書いてあるように、両親、または保護者な許可しなければなりません。残念ですが、ポッター、これは私の最終決定です。早く行かないと、次のクラスに遅れますよ。ああ、フリート」