第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】
マクゴナガルは、ソワソワとしていたアリアネを呼んだ。
アリアネはちょうど、ホグズミードに行っても大丈夫かと聞こうとしていたのである。
サインは一応貰ってはいるけれども、周りの大人はハリーと彼女が外に出る度に過敏に反応していた。
「ルーピン先生から、貴女のホグズミード行きの許可を取り下げるようにとのお話がありました」
「……え!?」
「貴女の安全を考えてのことです。今回のホグズミード行きは無しとなりましたので」
「そ、そんな……!私のサインはアーサーおじさんがしたんですよ!」
「そのウィーズリー氏からも、ホグズミード行きの許可を取り下げるとの連絡がありました」
その後、ロンはマクゴナガルとリーマス、そして父親であるアーサーに対し悪口雑言をぶちまけていた。
そんなロンをハーマイオニーは嫌がり、そして『これでよかったのよ』という表情を浮かべたのでますますロンは怒ってしまった。
「まさかリーマスが……私のホグズミード行きを、無しにするなんて……」
「ご馳走あるさ」
ロンはハリーとアリアネを慰めようとしていた。
「ね、ハロウィーンのご馳走が、その日の夜に」
「ウン、素敵だよ」
「素敵だけど……」
ハリーとアリアネはますます落ち込むばかり。
夕食の席では、みんなが楽しげにホグズミードは何処に行くかと話していたから。
「私、リーマスに直談判してくるわ」
「え!?」
「ついでにアーサーおじさんにも」
「どうやって!?」
「手紙でよ!」
アリアネは夕食を急いで食べ終えると、席を立ってから急いでリーマスがいるだろう『闇の魔術に対する防衛術』の教室へと向かった。
途中で歩きながらアーサーへと手紙を書いて、それをジークへと渡してから飛ばす。
「リーマス!」
勢いよく扉を開けると、リーマスは驚いた表情を浮かべながらも直ぐに微笑みを浮かべた。
「どうしたんだい?そんなに慌てて」
「なんで私のホグズミード行きの許可を取り消すように言ったの?」
「……ブラックのことがあるからだよ。君はもしかしたら、ブラックに狙われる可能性があるんだ。それは、アーサーから聞いただろう?」
「それはそうだけど……」
「君の安全の為なんだ。申し訳ないけれど、今年は我慢してくれ」
リーマスに直談判は失敗してしまった。