第10章 名付け親【アズカバンの囚人】
確かにそうかもしれない。
だけどリーマスは今、目を少しだけ逸らした気がした。
「……私、そろそろ動けそうだから授業に出るわ」
「そうかい?無理はしないように」
「ええ、大丈夫よ。それより、今は何時なの?」
「昼近くだね」
「私ったらそんなに寝ていたの!?」
驚いた私は叫んでしまった。
まさかそんなに眠っていたなんて思ってもいなかったから。
「薬の影響だろうね。大丈夫、マダム・ポンフリーが君を休ませるように言っていたからね。授業はMs.グレンジャーが羊皮紙に書いてまとめてくれるらしい」
「ハーマイオニーにお礼を言わなくちゃ……」
私は慌ててベッドから降りてから、髪の毛を直したりとした。
ローブを着てからと準備をしていればリーマスがまた私の頭を撫でる。
「なあに?」
「背が、伸びたと思ってね。最後に会った時はとても小さかったのに。見ないうちに君は大きく成長したね。嬉しいよ、私は」
「そう?喜んでもらえたなら良かった」
「さあ、昼食を食べてくるといい」
その後、私はマダム・ポンフリーから予備の薬を渡されてから大広間へと向かった。
大広間は既に昼食を取ってる生徒たちが溢れていて、私はその中でハリーとロンとハーマイオニーの姿を探す。
キョロキョロとしている時だった。
誰かが後ろから私の腹部に腕を回してから抱き寄せていたのだ。
「きゃっ……!?」
「お姫様、具合は平気か?」
「フレッド……!驚いたじゃない!」
後ろを振り向けば、何かを企んでいる時の笑みを浮かべたフレッドがいた。
私が彼の腕を叩けば、直ぐに腕を話してくれる。
「お姫様がキョロキョロしてるの見つけたもんだから、つい、意地悪したくて。それで、体調は?もう平気なのかい?」
「ええ、もう平気よ。心配してくれてありがとう」
「それなら良かったさ。で、誰を探してるんだ?」
「ハリー達よ」
「ああ、ハリー達ならそこ」
フレッドが指さした先には、ハリーたちが昼食を食べている姿があった。
「ありがとう」
「どういたしまして、お姫様」
「そのお姫様は辞めてちょうだい。恥ずかいしわ」
そう言ってから私はハーマイオニーの隣にいくと、椅子に腰掛けた。
「アリアネ!貴方、もう平気なの?」
「ええ、平気よ」
「それなら良かった。心配したんだよ、ハーマイオニーから医務室に居るって聞いたから」