第10章 名付け親【アズカバンの囚人】
「まあ、『占い学』は曖昧なものだからね。必ずしも当たるとは限らない。あまり気にしないように」
「分かってるわ。あ、そうだ。私、リーマスに聞きたいことがあったのよ」
「なんだい?」
私はずっと彼に聞きたいことがあった。
それは夢の中に出てくる『シウリス』について。
夢の中のリーマスはその『シリウス』と話していたから、知っているかもしれないと思ったのだ。
ただ、私の夢だから架空の人物かもしれないけれど。
「リーマスは、シリウスって知っている?」
すると、リーマスは少しだけ動きを止めた。
目を見開かせいたけれど、直ぐに瞬きをしてから口を何度か動かす。
「それは、シリウス・ブラックのことかい?」
「分からない。実はね、夢の中でよく『シリウス』って人が出てくるの。その夢にはリーマスや母さんや父さんも出てくるのだけれど……」
「……そう、なのかい。そうだね、シリウスっていう知り合いはいたよ。もしかしたら彼かもしれないね、夢に出てきたのは」
「そうなの?」
「……まあ、彼とは私はもう長い間会ってはいないけれどね。それはそうと、シリウス・ブラックのことは聞いているのかい?」
私は頷いてから、アーサーおじさんから話を聞いたことを伝えた。
するとリーマスは難しい表情を浮かばてから、顎をさすって私の頭を撫でる。
「警戒するんだよ。命を狙われていなくても、彼は危険だ」
「ええ、分かってるわ」
「……いい子だ。じゃあ、そろそろ次の授業のクラスにいくといい。もうそろそろ、時間が来るからね」
「はあい」
そして私はリーマスに手を振ってから『闇の魔術に対する防衛術』の教室を出た。
その時に小さく声が聞こえてきた。
「夢に出てきているなんて……」
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ハリー達と合流してから『魔法生物飼育学』の最初の授業へと向かった。
「ハリー、ロンとハーマイオニー……どうしたのよ」
「ご覧の通りだよ。アリアネと合流する前からあの状態なんだよ。ずっと口をきいてないんだ」
合流してから、ロンとハーマイオニーの間には険悪なムードが流れている。
お互い口を聞かないので、私もハリーと黙ってしまい、沈黙の中で歩き出してハグリッドの小屋へと向かった。
その道中のこと。
目の前にスリザリン生達が歩いているのが見えた。
「やだ、スリザリンと合同授業なのね」
「最悪だ……」