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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第10章 名付け親【アズカバンの囚人】


「先生、私たち、『占い学』の最初のクラス受けてきたばかりなんです。お茶の葉を読んで、それで」
「ああ、そういうことですか」

マクゴナガル先生がハーマイオニーの言葉を遮るように、顔を顰めて言った。

「Ms.グレンジャー、それ以上は言わなくて結構です。今年はいったい誰が死ぬことになったのですか?」
「僕とアリアネです」
「私とハリーが死ぬことになりました」

私とハリーの言葉に、マクゴナガル先生は更に顔を顰めてしまう。

「わかりました。今年は2人だったんですね。では、ポッターとフリート、教えておきましょう。シビル・トレローニーは本校に着任してからというもの、1年に1人の生徒の死を予言してきました。未だに誰1人として死んではいません。死の前兆を予言するのは、新しいクラスを迎えるときのあの方のお気に入りの流儀です。私は同僚の先生の悪口を決して言いません。それでなければ……」

マクゴナガル先生の鼻の穴が膨らむのが見えた。
怒っているというか、イライラしているような……そんな表情を浮かべている。
それからマクゴナガル先生は自身を落ち着かせたようで、ゆっくりとした口調で話し出す。

「『占い学』というのは魔法の中でも1番不正確な分野の1つです。私があの分野に関しては忍耐強く無いということを、皆さんに隠すつもりはありません。真の預言者はめったにいません。そしてトレローニー先生は……」

マクゴナガル先生は言葉を途切らせてから、私とハリーを見てきた。

「ポッター、フリート。私から見るところ、あなた達は健康そのものです。ですから、今日の宿題を免除したりいたしませんからそのつもりで。ただし、もし貴方達が死んだら、提出しなくても結構です」

彼女の言葉にハーマイオニーは吹き出した。
私もなんだかマクゴナガル先生の言葉で気が楽になったし、ハリーもそんな表情を浮かべている。
だけれど、皆が安心したわけじゃないらしい。
ラベンダーが『でも、ネビルのカップはどうなの?』と小さな声で囁いたから。

その後、『変身術』の授業を終えた私たちは昼食を食べるために大広間へと向かっていた。

「ロン、元気だして。マクゴナガル先生のおっしゃったこと、聞いたでしょう?」
「ハリー、アリアネ。君たち、どこかで大きな黒い犬を見かけたりしなかったよね?」
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