第10章 名付け親【アズカバンの囚人】
ー翌朝ー
ホグワーツでの朝を迎えた日。
私とハリー、そしてロンとハーマイオニーは朝食を取りに大広間へと向かった。
そこで私は教職員テーブルにリーマスの姿が無いかを探したけれど、居なくて肩を落とす。
「朝からルーピン先生探して、落ち込むなよな。どんだけあの人の事大好きなんだよ」
「8年間会えてなかったのよ。探すものよ」
ふと、マルフォイたちがいるスリザリン寮のテーブルに目が入った。
マルフォイは私たち3人が通り過ぎると、バカバカしい仕草てま気絶をする真似をする。
「知らんぷりよ」
「無視するべきね」
「そう、無視して。相手にするだけ損……」
なんて言っていた時だった。
「あーら、ポッター」
パグ犬のような顔をした、パンジー・パーキンソンが耳障りな甲高い声で呼びかけてきた。
「ポッター!吸魂鬼が来るわよ。ポッター。ううううぅぅぅぅ!」
「うるさいわよ、パーキンソン。耳障り」
「な、なんですって!?」
「また泣かされたいのかしら?決闘クラブの時のように、泣かされたいのならまた泣かせてあげるわよ」
ニッコリと笑えばパーキンソンは顔を真っ赤にさせてから何処かへと行ってしまった。
そして私たちはグリフィンドールの席に座れば、ハリーの隣にジョージが座っていたのに気が付く。
「3年生の新学期の時間割だ」
「ありがとう」
「ハリー、何かあったのか?」
「マルフォイのやつ」
ロンがスリザリンのテーブルを睨みつけた。
もう1度スリザリンのテーブルを見れば、マルフォイがまた気絶する真似をしている。
「あのろくでなし野郎。昨日の夜はあんなに気取っちゃいられなかったようだぜ。列車の中で吸魂鬼がこっちに近づいてきた時、俺たちのコンパートメントに駆け込んできたんだ。なあ、フレッド」
「ほとんどお漏らししかかってたぜ」
自分だって怖がっていたじゃないの。
私はマルフォイを睨みつけながら、ロールパンにたっぷりのスクランブルエッグを乗せて齧った。
するとジョージはマルフォイを睨みつけながら、話を続けた。
「俺だってうれしくはなかったさ。あいつら、恐ろしいよな。あの吸魂鬼ってやつらは」
「なんだか身体の内側を凍らせるんだ。そうだろ?」
「たわけど、気を失ったりはしなかっただろ?」
ハリーは少し不機嫌そうに低い声で囁いた。