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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第10章 名付け親【アズカバンの囚人】


そう声をかけてから、私は大広間を出た。
何処にリーマスが居るのだろうかと辺りを見渡していれば、継ぎ接ぎのローブが中庭で広がっているのが見えた。

「リーマス!」

声をかければ、リーマスは眉を上げてから私を視界に捉えると微笑んだ。

「やあ、アリアネ。宴は楽しんだかい?」
「ええ、もちろんよ。リーマスは?卒業して以来でしょう?」
「楽しかったよ。卒業して以来、ここに来れるとは思っていなかったからね……。ダンブルドアのおかげさ」

リーマスは嬉しげに目を細めながら笑った。
少しだけやっぱり老けたのではないだろうかと思いながら、彼の鷲色の髪の毛に白髪が混じっているのに気がつく。

「リーマス、少し老けたわね」
「もう三十路過ぎているから、老けるのも当たり前さ」
「でも、顔は素敵よ」
「顔は、かい?」
「いいえ、全部素敵な人よ。私の自慢の名付け親だもの」

リーマスは名付け親だとしても、他人の子である私を5歳まで育ててくれた。
その後は経済の関係や彼に色々理由があって、ウィーズリー家に預けられたけれどそれでも毎回手紙をくれたり私を心配してくれた優しい人。

自慢の名付け親であり育ての親。
そう思いながら微笑んでいれば、リーマスは眉を下げてから私の頭を撫でた。

「自慢する様な人間じゃないよ、私は。8年間君に会いに行かずに、迎えに行くと行ったのに行けなかった。私の勝手な理由で君をウィーズリー家に預けたのだから。私は自慢されるような名付け親でも育ての親でもないさ」
「そんな事ないわ!リーマスはいっぱい私を助けてくれた。離れていても手紙を送ってくれたりした。あの時、私、コンパートメントで怒ったけれど、手紙くれただけでも嬉しかったのよ」

リーマスは目を細めてから、わしゃわしゃと私の頭を撫でてくれる。

「そう言ってくれて、嬉しいよアリアネ。本当にいい子に育った。そして綺麗なレディになってきたね……それにヘレンに似てきた。瓜二つと言ってもいいかもしれない」
「お母さんに、似てる?私」
「似ているさ。ヘレンとよく似ている。13歳の頃のヘレンそっくりだよ」
「そう。じゃあ、私、鏡を見る度に母さんに会えるのね」
「そうだね。……成長したアリアネに会えた良かった。ダンブルドアには感謝しないとね」
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