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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第10章 名付け親【アズカバンの囚人】


「あの子たちに惨めな思いをさせたいわけじゃない、私はあの子たちに自分自身で警戒させたいだけなんだ」

アーサーおじさんは珍しくかなりモリーおばさんに言い返していた。

「ハリーやアリアネにロンがどんな子か、母さんも知っているだろう。3人でふらふら出歩いて、もう『禁じられた森』に何度も入り込んでいるんだよ!今学期はハリーとアリアネはそんな事をしちゃいかんのだ!ハリーが家から逃げ出したあの夜、あの子の身に何が起こっていたかもわからんと思うと!もし『夜の騎士バス(ナイトバス)』があの子を拾っていなかったら、賭けてもいい、魔法省に発見される前にあの子は死んでいたよ」
「でも、あの子は死んでいませんわ。無事なのよ。だからわざわざ何も」
「モリー母さん。シリウス・ブラックは狂人だとみんなが言う」

アーサーおじさんが出した名前に、ピクッと反応してしまう。

「たぶんそうだろう。しかし、アズカバンから脱獄する才覚があった。しかも不可能と言われていた脱獄だ。もう3週間経つのに、誰1人、ブラックの足跡さえ見ていない。ファッジが『日刊預言者新聞』になんと言おうと、事実、我々がブラックを捕まえる見込みは薄いのだよ。まるで勝手に魔法をかける杖を発見するのと同じぐらい難しいことだ。1つのだけはっきり我々が掴んでいるのは、奴の狙いがー」
「でも、ハリーとアリアネはホグワーツにいれば絶対に安全ですわ」
「我々はアズカバンも絶対間違いないと思っていたんだよ。ブラックがアズカバンを破って出られるなら、ホグワーツにだって破って入る」
「でも、だれもはっきりと分からないじゃありませんか。ブラックがハリーとアリアネを狙ってるなんて」

ドスンという木を叩く音が響いた。
私は思わずギュッと目を閉じてから、うっすらと目を開ければアーサーおじさんがテーブルの上に拳を作っているのが見えた。
どうやらアーサーおじさんが机を叩いたらしい。

「モリー、何度言えばわかるんだね?新聞に載っていないのは、ファッジがそれを秘密にしておきたいからなんだ。しかし、ブラックが脱走したあの夜、ファッジはアズカバンに視察に行ってたんだ」

胸騒ぎがしてしまう。
さっきからアーサーおじさんが『ブラック』と呼ぶ度に、胸騒ぎがしていしまうのだ。
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