第10章 名付け親【アズカバンの囚人】
調べてはいけない、それは私に何か関係することがあるからなのだろうか。
そう思う時があるけれど、アーサーおじさんは単純に凶悪犯罪者のことだからと言っているかもしれない。
(どっちにしろ、気になる……)
そうと思っていれば、モリーおばさんと5年生に進級したフレッドとジョージと全校首席に選ばれたパーシーと2年生となったジニーが漏れ鍋にやってきた。
するとパーシーは初めてハリーに会ったかのように挨拶をする。
「ハリー、お目にかかれてまことにまことに嬉しい」
「やあ、パーシー」
「お変ないでしょうね?」
「おかげさまで、元気です」
ハリーが苦笑を浮かべていれば、フレッドとジョージが悪ふざけを始める。
「ハリー。お懐かしきご尊顔を拝し、なんたる光栄」
「ご機嫌麗しく。恐悦至極に存じたてまつり」
「そろそろ辞めなさいよ、2人とも」
「そうです。いい加減おやめなさい」
私とモリーおばさんが注意するが、2人は悪ふざけを辞めなかった。
そのせいでモリーおばさんに2度も注意されてしまうので、私は呆れてため息を吐き出す。
「こんにちは、ハリー。我が家のすばらしいニュースを聞いたでしょう?」
モリーおばさんはパーシーの胸元に光る金バッジを指さしてから誇らしげにしていた。
「我が家の2人目の首席なのよ!」
「そして最後のね」
「そのとおりでしょうよ。2人とも、監督生になれなかったようですものね」
フレッドの言葉にモリーおばさんの目が厳しくなる。
「なんで俺たちが監督生なんかにならなきゃいけないんだい?人生真っ暗じゃござんせんか」
「全くもう、貴方たちはそれだからモリーおばさんに怒られるのよ」
「酷いなあアリアネ。俺たちは真面目に生きてるんだぜ?」
「何処がよ、何処が」
その夜は宴会のように楽しかった。
宿の亭主であるトムが、テーブルを3つ繋げれてくれて、全員でフルコースの美味しい料理を平らげる。
「パパ、明日、どうやってキングズ・クロス駅に行くの?」
「魔法省が車を2台用意してくれる」
それは大助かりだと思いながら、私たちは夜を過ごしていった。
夕食終わり、皆で満腹担って眠くなってから部屋へと向かっていく。
私とハーマイオニーは隣の部屋であり、それまで2人で私の部屋で話していた。
「新しい学科の授業が楽しみだわ」
「そうね、楽しみね」