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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第10章 名付け親【アズカバンの囚人】


「見た目からしてやばそうだったものね」

怪物本は本当に怪物のような見た目だった。
店員が半泣きになるのもよく分かると思っていれば、ハリーはちらりとハーマイオニーの袋を指さす。

「ハーマイオニー、そんなにたくさんどうしたの?」

ハーマイオニーが椅子に置いている袋は3つもある。
私は苦笑を浮かべながら、ハーマイオニーの方を見た。

「ほら、私は、あなたたちよりたくさん新しい学科を取るでしょう?これ、その教科書よ。『数占い』、『魔法生物飼育学』、『占い学』、『古代ルーン文字学』、『マグル学』」
「なんで『マグル学』なんか取るんだい?君はマグル出身じゃないか!パパやママはマグルじゃないか!マグルのことはとっくに知ってるだろう?」
「だって、マグルのことを魔法的視点から勉強するのってとっても面白いと思うわ」
「ハーマイオニーらしいわね」
「ハーマイオニー、これから1年、食べたり眠ったりする予定はあるの?」

ハリーは真面目に聞いていたが、ロンはその言葉に笑っていた。
私は呆れたようにため息を吐き出しながら、アイスクリームでも食べようかなと思いながら椅子に深く腰掛ける。

「私、まだ10ガリオン持ってるわ。私の誕生日、9月なんだけど、自分でひと足早くプレゼントを買いなさいって、パパとママがお小遣いくださったの」
「素敵なご本はいかが?」
「お気の毒さま。私、とてもふくろうがほしいの。だって、ハリーにはヘドウィグがいるしアリアネにはジークがいて、ロンにはエロールが」
「僕のじゃない。エロールは家族全員のふくろうなんだ。僕にはスキャバーズきりいない」

ロンはポケットからスキャバーズを取り出した。
少しぐったりとしているスキャバーズは、エジプトに行ってからこうなのだ。

「こいつを診てもらわなきゃ。どうも、エジプトの水が合わなかったらしくて」
「ぐったりしてるわよね……水なのか、慣れない環境に体調を崩したのかしら」
「それか、君のジークに突っつかれたせいかも」

ブスッとしてからロンは私を睨む。
ロンの言う通り、ジークは最近ずっとスキャバーズを追いかけ回しては突っついたりしていた。
何故かは知らないが、ジークはスキャバーズが嫌いらしい。

「ごめんなさいね、ロン。ジークはどうやら、スキャバーズが嫌いみたいなの」
「スキャバーズもジークが嫌いみたいだよ」
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