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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第10章 名付け親【アズカバンの囚人】


「探してたけれど、見つかって良かったわ、ハリー」
「僕、実は学校に必要なものは先週買ってしまったんだ。『漏れ鍋』に泊まってるって、どうして知ったの?」
「パパさ」

屈託なくロンが言うと、ハリーは『あぁ』と呟いた。
アーサーおじさんは魔法省で働いているから、ハリーが魔法を使ったことや漏れ鍋に居ることを魔法大臣から聞いているのだ。

「ハリー、本当に叔母さんを膨らませちゃったの?」
「そんなつもりはなかったんだ。ただ、僕、ちょっと、キレちゃって」
「あら、そうだったのね」
「むしろハリーが退学にならなかったのが驚きだわ」

確かにそうだ。
未成年が魔法を使うのは規則で禁止されている。
それなのに退学にならなかったのが少し驚きであった。

「僕もそう思ってる。退学処分どころじゃない。僕、逮捕されるかと思った。ファッジがどうして僕のことを見逃したのか、君のパパ、ご存知ないかな?」
「たぶん、君が君だからだ。違う?」

ロンは笑いながら答えた。

「有名なハリー・ポッター。いつものことさ。叔母さんを膨らませたのが僕だったら、魔法省が僕に何するか、見たくないなぁ。もっとも、まず僕を土の下から掘り起こさないといけないだろうな。だって、きっと、僕、ママに殺されちゃってるよ」
「そうでしょうね。殺されているでしょうね」
「そこは否定して欲しかった。でも、今晩パパに直接聞いてみろよ。僕たちも『漏れ鍋』に泊まるんだ!だから、明日は僕たちと一緒にキングズ・クロス駅に行ける!ハーマイオニーも一緒だ!」

ロンの言葉にハーマイオニーはにっこりと微笑んだ。
そう、今日は私たちは漏れ鍋に泊まることにしたのである。

「パパとママが今朝ここまで送ってくれたの。ホグワーツ用の色んな物も、全部一緒にね」
「最高!じゃ、新しいきょうかしょとか、もう全部買ったの?」
「これ見てくれよ」

そう言いながら、ロンは袋から細長い箱を引っ張り出してから開けてみせる。
そこには真新しいロンの杖があり、ロンは嬉しげにそれを見せて説明を始めた。

「ピカピカの新品の杖。33センチ、柳の木、ユニコーンの尻尾の毛が1本入ってる。それに、僕たち3人とも教科書は全部揃えた」

そう言いながら、ロンは椅子の下にある大きな袋を指した。

「怪物本、ありゃ、なんだい、エ?僕たち、3冊欲しいって言ったら、店員が半べそだったぜ」
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