第9章 トム・リドル【秘密の部屋】
ルシウスは怒りの形相を浮かべて、杖を引っ張りだしたがドビーが長い人差し指を、まるで脅すようにルシウスへと向けていた。
「すぐ立ち去れ。ハリー・ポッターとアリアネ・イリアス・フリートに指1本でも触れてみろ。早く立ち去れ」
ドビーの言葉にルシウスは逆らう事は出来なかった。
忌々しそうにアリアネとハリーとドビーに最後の一瞥を投げてから、マントを翻しにら急いでその場を立ち去った。
「ハリー・ポッターとアリアネ・イリアス・フリートがドビーを自由にしてくださった!ハリー・ポッターとアリアネ・イリアス・フリートが解放してくださった!」
「ドビー、せめてこれぐらいしか、してあげれないけど。ただ、もう僕たちの命を救おうなんて、2度もしないって、約束してくれよ」
「そうよ、ドビー。私たちの命を救おうなんて、しなくていいわ」
2人の言葉にドビーは目を見開かせた。
「ドビー、一つだけ聞きいたいことがあるんだ。君は『名前を呼んではいけないあの人』は今度のことにいっさい関係ないって言ったね。覚えてる?それなら」
「あれはヒントだったのでございます」
「ヒントだったの?」
「はい、ヒントです。ドビーはあなた方にヒントを差し上げました。闇の帝王は、名前を変える前でしたら、その名前を自由に呼んでかまわなかったわけですからね。お分かりでしょう?」
「そんなことなの……」
「なるほどね……」
ハリーとアリアネは力無く答えた。
「じゃ、僕たち、行かなくちゃ。宴会があるし、友達のハーマイオニーも、もう目覚めてるはずだし……」
「そうね。またね、ドビー」
するとドビーは2人の事を抱きしめた。
「ハリー・ポッターとアリアネ・イリアス・フリートは、ドビーが考えていたよりずーっと偉大でした。さようなら、ハリー・ポッター、アリアネ・イリアス・フリート!」
パチンと音が鳴ると、ドビーはその場から姿を消した。
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今回の宴会はハリーとアリアネにとっては初めてだった。
夜通し、みんなパジャマ姿でお祝いした。
ハーマイオニーは目を覚まし、アリアネはそれに大号泣してしまった。
そんな彼女を宥めながらハーマイオニーは『貴方達が解決したのね!やったわね!』と嬉しそうしていた。