• テキストサイズ

シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第9章 トム・リドル【秘密の部屋】


賢者の石の際ではそのせいで大怪我を負ったし、トロールの事件では怪我もした。
今回もそうだったなとハリーは思い出してからアリアネを見つめる。

「他者を思うのはアリアネの優しい所で美徳だが、自身の命を粗末にしてしまうのは美徳ではないのう。その命、大切にするんじゃよ」
「……はい」
「もちろんハリーも同じことが言える」
「はい」

2人は少し反省しながらも、自分たちが真のグリフィンドール生と言われたことに安堵を覚えていた。
するたダンブルドアはマクゴナガルの引き出しを開けてから、羽根ペンとインクを取り出す。

「ハリー、アリアネ、君たちには食べ物と睡眠が必要じゃ。祝いの宴に行くがよい。わしはアズカバンに手紙を書く。森番を返してもらわねばのう。それに、『日刊預言者新聞』に出す広告を書かねば」
「広告ですか?」
「そうじゃよ、アリアネ。『闇の魔術に対する防衛術』の新しい先生が必要じゃ。なんとまあ、またまたこの学科の先生がいなくなってしもうた。のう?」

ハリーとアリアネは小さく笑いながらも、祝いの宴に行こうと扉に近寄った時、ドアが勢いよく開いて2人は慌てて飛び退いた。
そこには怒りを現したルシウス・マルフォイが立っていて、彼の腕の下にはドビーがいる。

「ルシウス・マルフォイ……!?」
「今晩は、ルシウス」

ルシウスはハリーとアリアネに目もくれず、部屋に入っていく。
そして後ろからはドビーもついてくる。

「それで!お帰りになったわけだ。理事たちが停職処分にしたのに、まだ自分がホグワーツ校に戻るにふさわしいとお考えのようで」
「はてさて、ルシウスよ。今日、あなた以外の11人の理事がわしに連絡をくれた。正直なところ、まるでふくろうの土砂降りに遭ったかのようじゃった。アーサー・ウィーズリーの娘が殺されたと聞いて、理事たちがわしに、すぐに戻ってほしいと頼んできた。結局、この仕事に1番向いているのは、このわしだと思ったらしいのう。奇妙な話をみんなが聞かせてくれての。もともとわしを停職処分にしたくはなかったが、それに同意しなければ、家族を呪ってやるとあなたに脅された、と考えておる理事が何人かいるのじゃ」

その言葉を聞いたルシウスの顔が、蒼白へと色を変えていく。
だがその目は未だに怒りに狂っていた。
/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp