第9章 トム・リドル【秘密の部屋】
そうして、ロックハートとロンは部屋から出た。
その場には3人だけとなり、なぜ残るように言われたのだろうと2人はダンブルドアへと視線を投げる。
「ハリー、アリアネ、お座り」
2人は胸騒ぎを覚えながらも、促されたとおりに椅子に腰掛けた。
「まずは、ハリー、アリアネ、礼を言おう。『秘密の部屋』の中で、君たちはわしを真に信頼を示してくれたに違いない。それでなければ、フォークスは君たちのところに呼び寄せられなかったはずじゃ」
そう言いながら、ダンブルドアはフォークスの毛並みを撫でていた。
「それで、君たちはトム・リドルに会ったわけだ。たぶん、君に並々ならぬ関心を示したことじゃろうな……」
「ダンブルドア先生……。僕とアリアネがリドルに似ているって彼が言ったんです。不思議に似通っているって、そう言ったんです」
「ほぉ、そんなことを?それで、ハリー,アリアネ、君たちはどう思うかね?」
「僕、あいつに似ていると思いません!」
「私も似てなんかいません!あんな男と!」
2人の声は大きくて、自身で驚いてしまうほどだった。
「だって、僕たちはグリフィンドール生です。僕たちは……」
「先生、組み分け帽子が私たちに言ったんです。私たちはスリザリンでうまくやっていけただろうにって。それに、皆は私とハリーをスリザリンの継承者だと疑っていました」
「僕とアリアネが蛇語を喋れるから……」
ハリーとアリアネの表情が暗くなった。
思い出すだけで苦しくなるし、自分たちがスリザリンで上手くやって行けるという言葉が辛かったのだ。
「ハリー、アリアネ。君たちは確かに蛇語を話せる、らなぜならヴォルデモート卿が、サラザール・スリザリンの最後の子孫じゃが、蛇語を話せるからじゃ。わしの考えがだいたい当たっているなら、ヴォルデモートがハリーに傷を負わせたあの夜、自分の力の一部を2人に移してしまった。もちろん、そうしようと思ってしたことではないが……」
「ヴォルデモートの一部が僕とアリアネに?」
「で、でもダンブルドア先生。私、最初は蛇の言葉なんて理解出来ていなかったんですよ?」
「ふむ……もしや、ハリーといた事によりアリアネの中にあるヴォルデモートの力とハリーの中にあるものが共鳴して力が発芽したのかもしれんのう」
ふと、アリアネは思い出した。