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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第9章 トム・リドル【秘密の部屋】


「そこで僕は、ジニーに自分の遺書を壁に書かせ、ここに下りて来て待つように仕向けた。ジニーは泣いたり喚いたりして、とても退屈だったよ。しかし、この子の命はもうあまり残されてはいない。あまりにも日記に注ぎ込んでしまった。つまりこの僕に。僕は、おかげで遂に日記を抜け出すまでになった。僕とジニーとで、君たちが現れるのをここで待っていた。君たちが来ることはわかっていたよ。ハリー・ポッター、アリアネ・イリアス・フリート。僕は君たちにいろいろ聞きたいことがある」
「何を?」
「そうだな」

リドルは微笑を浮かべた。

「これといって特別な魔力も持たない赤ん坊が、不世出の偉大な魔法使いをどうやって破った?ヴォルデモート卿の力が打ち砕かれたのに、君の方は、たった1つの傷跡だけで逃れたのは何故か?」

そしてちらりとリドルはアリアネと視線を向けた。

「そしてアリアネ。君の血には本当に不老不死の血が流れているのかどうか。そして何故、君も生き残ることが出来たのかを知りたいな。フリート家は古き純血の血、そして不老不死であるジークフリートの血を持つ一族。君は本当に不老不死なのかい?その血を飲めば、永遠の命を得ると言われているのは本当かい?」

フリート家の血は狙われていた。
リドルの言っていた『血を飲めば永遠の命を得る』という噂まで流れていたのだ。
だからフリート家は狙われて続けていた、その血を求められることもあった。

本当に不老不死なのかどうか、アリアネは知らない。
ただフリート家の寿命は他の魔法族より長いのは知っていた。
だがそれが不老不死だからなのかは知らない。

「そんなの、知らないわ。本当に不老不死なんか」
「それより、僕がなぜ逃れたのか、アリアネが生き残ったのか、どうして君が気にするんだ?ヴォルデモート卿は君よりあとに出てきた人だろう?」
「ヴォルデモートは、僕の過去であり、現在であり、未来なのだ……ハリー・ポッターよ」

ポケットからハリーの杖を取り出したリドルは、何やら空中に文字を書き始めた。


TOM MARVOLO RIDDLE(トム・マールヴォロ・リドル)

そしてリドルはもう一度、杖を振った。
すると名前の文字は並び方を変えていく。

IAM LORD VOLDEMORT(俺様はヴォルデモート卿だ)
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