第1章 ホグワーツ魔法魔術学校【賢者の石】
そしてネビルの頭の上に杖を落とすと、近くにあった鎧をガラガラと言わせて遠のいて行った。
「ピーブズには気をつけたほうがいい。ピーブズをコントロールできるのは『血みどろ男爵』だけなんだ。僕ら監督生の言うことでさえ聞きゃしない。アリアネ、変なことされたからって、殴ったり蹴ったりしようとするんじゃないぞ」
「言われなくても分かってるわよ·····」
再び歩き出したパーシーの言葉に、ロンとハリー達が笑う。
例え喧嘩っ早いとしても、そう直ぐに殴ったり蹴ったりなんかはしない。
頬を膨らませて不貞腐れていると、パーシーの足が止まった。
「さあ、着いた」
廊下の突き当たりに、ピンクの絹のドレスを身にまとった太った婦人の肖像画がかかっている。
その婦人はパーシーを見ると口を開いた。
「合言葉は?」
「カブート ドラコニス」
パーシーがそう唱えると、肖像画が前に開く。
そして壁の後ろに丸い穴が現れて、皆はその高い穴に這い上がっていく。
穴の先にはグリフィンドールの談話室があったのだ。
「凄いわ。まるで秘密基地みたい!」
「すごいや。わあ·····!」
グリフィンドールの談話室は、円形の部屋。
中にはふかふかとした肘掛椅子に、机や暖炉まであって素敵な場所だった。
そして、パーシーの指示で女子は女子寮に続くドアへと部屋へと入っていく。
「素敵な部屋ね」
「本当だわ。どのベッドで眠るのかしら」
「あ、トランクが置いてあるわ」
ハーマイオニーとラベンダーと会話をしながら、私たちはそれぞれ眠るベッドを決めた。
深紅のビロードのカーテン、四本柱の天蓋付きベッドが五つある部屋はとても素敵だ。
「改めて、軽く自己紹介しましょう。これから過ごしていく仲間ですもの」
ベッドに座った私の提案で、それぞれ自己紹介していく。
「私はラベンダー・ブラウンよ。これからよろしくね」
「私は、ハーマイオニー・グレンジャーよ。どうぞよろしく」
「私はアリアネ・イリアス・フリートよ。どうぞこれからよろしくね」
最初、私の名前を聞いたハーマイオニー以外の女子はちょっとそわそわしていたけれど会話をしたり雑談をしながらとだいぶ、仲が打ち解けていった気がした。
そして、はしゃいでいたせいなのか緊張していたせいなのか眠気があっという間に訪れる。
「じゃあ、今日はもう眠りましょう」