第1章 ホグワーツ魔法魔術学校【賢者の石】
ハグリッドからは、ダンブルドアは偉大な人だと聞いたけれど少しおかしい人でもあるんじゃないだろうか。
なんて思っていれば、ダンブルドアは大きな声で吠えるように叫ぶ。
「さあ、諸君、就寝時間。駆け足!」
私たちは、監督生であるパーシーに続いて喋りながら大広間を出ていき大理石の階段を上がっていた。
「さっきの校歌、デタラメなのかしら。驚いちゃったわ」
「私も驚いたわ。みんなそれぞれで歌うのね」
話題は校歌だったり、これからどんな生活になるのか、授業のことだったり色々。
道中、壁にかけてある肖像画の人物が囁いていたり生徒を指さしている。
「ちょっとアリアネ。君、いつの間にあの子と仲良くなったんだよ」
すると、ロンが私の袖を引っ張りながら耳元に口を寄せて囁いてきた。
「食事をした時から仲良くなったのよ。話してみれば、悪い子じゃないわ。ロンは苦手かもしれないけれど」
「嘘だろ、君·····誰でも仲良くなるよな」
「誰でもじゃないわ。嫌いな人間とは仲良くしないもの」
ロンは眉間に皺を寄せながら、少し不貞腐れたようにしているのは自分が苦手な子と私が仲良くなったせいなのだろうか。
そう思いながら階段を登っていれば、皆の足が止まった。
どうしたのだろう·····と思っていれば、前方に杖が一束、空中に浮いている。
そへを凝視していれば、パーシーが一歩前身して見せると杖がバラバラと飛びかかってきた。
「ピーブズだ」
「ピーブズ?」
「ポルターガイストのピーブズだよ。ピーブズ、姿を見せろ」
パーシーか大きな声で言うと、まるで風船から空気が抜けたような音が聞こえる。
「『血みどろ男爵』を呼んできてもいいのか?」
脅しとも聞こえる言葉をパーシーが言った瞬間、ポンという音が聞こえた。
そして意地悪そうなくらい瞳をした、大きな口をした小男が現れる。
胡座をかきながら、杖の束を掴みながら空中に漂っていた。
「おおぉぉぉぉぉ!かーわいい一年生ちゃん!なんて愉快なんだ!」
するとピーブズという小男は、甲高い笑い声を出しながら私たち一年生めがけて急降下してした。
慌てて私たちが身を屈めていれば、パーシーが怒鳴る。
「ピーブズ、行ってしまえ。そうしないと男爵に言いつけるぞ。本気だぞ」
彼の言葉に、ピーブズは不愉快そうに顔を歪ませると舌をべーと出した。