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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第9章 トム・リドル【秘密の部屋】


「つまり、私たち、先生というものは、色々やらなければならない事がありましてね。生徒を送ってクラスに連れて行ったり、一晩中見張りに立ったりしなくたって手一杯ですよ」
「そのとおりです」
「そうです、まったくその通りです」

ロンと私は最初驚いたけれど、直ぐにハリーが何をしようとしているのかわかった。

「先生、引率はここまでにしてはいかがですか。あと一つだけ廊下を渡ればいいんですから」
「先生はお忙しい身ですよね?もう大丈夫ですよ、引率はこの辺りまでで」
「実は、ウィーズリー君、Ms.フリート、私もそうしようと思う。戻って次の授業の準備をしないといけないんでね」

それだけを言うとロックハートは足早に私たちを置いてから行ってしまった。

「上手く言ったわね」
「授業の準備が、聞いて呆れる。髪をカールしに、どうせそんなことだ」

私たちは他のグリフィンドール生たちを先に行かせて、脇の通路を駆け下った。
勿論『嘆きのマートル』のトイレへと向かうためだが、そこでマクゴナガル先生と鉢合わせしたのである。

「ポッター!ウィーズリー!フリート!何をしているのですか?」

しまったと思った。
だけどすぐにロンがその場を誤魔化すように、ある事を言う。
それに続いて私とハリーもマクゴナガル先生に話した。

「僕たち、僕たち、あの、様子を見に」
「ハーマイオニーの」
「ハーマイオニーが心配なんです……」
「先生、もうずいぶん長いことハーマイオニーに会っていません」

私は心の中で『ごめんね、ハーマイオニー』と言いながら、泣きそうなフリをした。
目元を擦りながら鼻を時折鳴らしてみたりと。

(本当にごめんね、ハーマイオニー。でも心配しているのは本当なのよ)

なんてハーマイオニーに言い訳をしていれば、ハリーが言葉を続けた。

「だから、僕たち、こっそり医務室に忍び込んで、それで、ハーマイオニーにマンドレイクがもうすぐ採れるから、だから、あの、心配しないようにって、それを言おうと思ったんです」

怒られるだろうか。
ちらりとマクゴナガル先生を見れば、彼女の瞳には涙が浮かんでいた。

「そうでしょうとも。そうでしょうとも。襲われた人たちの友達が、1番辛い思いをしてきたでしょう……。よくわかりました。ポッター、もちろん、いいですとも」

私たちは怒られることはなかったことに、少し驚いた。
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