第9章 トム・リドル【秘密の部屋】
パーシーが現れるとジニーは怯えた顔をしながら、立ち上がるとそのまま居なくなってしまった。
するとロンがパーシーへと怒る。
「パーシー!ジニーが何か大切なことを話そうとしたとこだったのに!」
するとパーシーは突然紅茶でむせだした。
「大丈夫なの、パーシー」
「ああ、大丈夫だ。で、どんなことだった?」
咳き込むパーシーをロンはジロッと睨みつける。
せっかくジニーが何か話してくれそうだったのに、パーシーが邪魔したんだと言わんばかりに。
「僕が、何ななおかしなものを見たのかって聞いたら、何か言いかけて」
「ああ、それ、それは『秘密の部屋』には関係ない」
「なんでそう言える?」
「うん、あ、どうしても知り合いなら、ジニーが、あ、この間、僕とばったり出くわして、その時、僕が、うん、何でもない。要するにだ、あの子は僕が何かするのを見たわけだ。それで、僕が、その、あの子に誰にも言うなって頼んだんだ。あの子は約束を守ると思ったのに。たいしたことじゃないんだ。ほんと。ただ、できれば……」
とてもパーシーはしどろもどろだった。
こんなにおろおろしてどうしたのだろうかと謎に思っていれば、ロンはまるで双子のようにニヤリと笑う。
「いったい何をしてたんだ?パーシー。さあ、吐けよ。笑わないから」
「ハリー、パンを取ってくれないか。腹ぺこだ」
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「明日になれば、ハーマイオニーが石から元に戻るのね。良かったわ……」
「そして明日になれば、僕たちが何かしなくても謎が解けるよ」
そう言うけれど、私たちはマートルと話す機会を探っていた。
そして運がいい事に、今日の『魔法史』への引率はロックハートである。
この教師ならば私たちがいなくなっても気づくことはないだろう。
ロックハートは何度も『危険は去った』と言っている。
だけど生徒たちはそうとは思っていないし、私たちだって思っていない。
「私の言うことをよく聞いておきなさい。哀れにも石にされた人達が最初に口にする言葉は『ハグリッドだった』です。まったく、マクゴナガル先生が、まだこんな警戒措置が必要ぁと考えていらっしゃるのには驚きますね」
「その通りです、先生」
まさかのハリーの言葉に、ロンは教科書を取り落として私はそれに躓いて転けそうになった。
「どうも、ハリー」
私は目を見開かせながらハリーを見た。