第9章 トム・リドル【秘密の部屋】
最初のテストの3日前。
朝食の席にて、マクゴナガル先生はある事を発表すると皆に声をかけた。
「良い知らせです」
その言葉にみんなは『ダンブルドアが戻ってくるんだ!』と騒いだ。
中には女子たちが『スリザリンの継承者を捕まえた』とも騒いでいる。
「スプラウト先生のお話では、とうとうマンドレイクが収穫できるとのことです。今夜、石にされた人たちを蘇生させることができるでしょう。言うまでもありませんが、そのうちの誰か1人が、誰に。または何に襲われたのか話してくれるかもしれません。私は、この恐ろしい1年が、犯人逮捕で終わりを迎えることがでこるのではないかと、期待しています」
マクゴナガル先生の言葉に歓声が爆発するのではないかと、思ったぐらいにみんなは叫んで喜ぶ。
ロンはここしばらく見せなかった嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
「それじゃ、マートルに聞きそびれたこともどうでもよくなった!目を覚ましたら、たぶんハーマイオニーが全部答えを出してくれるよ!でもね、あと3日で試験が始まるって聞いたら、きっとあいつ気が狂うぜ。勉強してないんだからな。試験が終わるまで、いまのままそっとしておいたほうが親切じゃないか」
「きっとそうね。ハーマイオニーは試験で頭がいっぱいになりそう。暫くは話しかけるのもままならないかもしれないわ」
なんて話している時だった。
ジニーがやって来てロンの隣に腰かけていたが、何処か緊張したようにモジモジとしている。
「あら、ジニー。どうしたの?」
「どうした?」
私とロンが声をかけるが、ジニーは黙っていた。
まるで怯えた表情であり、どうしたのだらうと首を傾げていればロンが『言っちまえよ』とジニーを促す。
「あたし、言わなければいけないことがあるの」
「何なの?」
「何を言わなきゃいけないの?ジニー」
「いったいなんだよ?」
私たちが聞けば、ジニーは口を開いたが声を出そうとしない。
ハリーは何か思いついたのか、少し前屈みになってから小さな声で囁く。
「『秘密の部屋』に関することなの?何か見たの?誰かおかしな素振りをしているの?」
ジニーは決意をしたように深呼吸をした。
その時、パーシーがゲッソリと疲れ表情をしながらジニーに声をかける。
「ジニー、食べ終わったのなら、僕がその席に座るよ。腹ぺこだ。巡回見廻りが、いま終わったばかりなんだ」