第1章 ホグワーツ魔法魔術学校【賢者の石】
「な、なんでもないです。なんでもないよ、アリアネ」
本当に何もないのだろうか。
心配になりながらも、ハリーを見てから黒い彼を見れば彼の瞳に疑問を抱く。
まるでハリーが嫌いだと言わんばかりの瞳をしているから。
「あそこでクィレル先生と話しているのはどなたですか」
ハリーはパーシーに質問すれば、パーシーは少し驚いたように目を開きながらも説明してくれる。
「おや、クィレル先生はもう知ってるんだね。あれはスネイプ先生だ。どうりでクィレル先生がオドオドしてるわけだ。スネイプ先生は魔法薬学を教えているんだが、本当はその学科は教えたくないらしい。クィレルの席を狙ってるて、みんな知ってるよ。闇の魔術に詳しいんだ、スネイプって」
「·····やっぱり」
「ん?何がやっぱりなんだ、アリアネ」
「な、なんでもないわ、パーシー」
私は彼、スネイプを知っている。
だけど彼のことを知っていることは、パーシーやウィーズリー兄弟たちには秘密にする事になっていた。
だから私は慌てて首を左右に振りながら、スネイプ·····スネイプ先生へと視線を向ける。
ぱちりと、彼と視線が合う。
そんな彼に微笑みを向けるが、彼は微笑むことなく視線を何処かへとやる。
それに少し不貞腐れた私は頬を膨らませていれば、テーブルからデザートが消えてダンブルドアが立ち上がると大広間に静けさが訪れた。
「エヘン。全員よく食べ、よく飲んだことじゃろうから、また二言、三言。新学期を迎えるにあたり、いくつかお知らせがある。一年生に注意しておくが、構内にある森に入ってはいけません。これは上級生にも、何人かの生徒たちに特に注意しておきます」
ダンブルドアの目がジョージとフレッドに向く。
彼の言葉とあの目からして、二人は森に入ったことがあるのだろうとため息を吐く。
「管理人のフィルチさんから授業の合間に廊下で魔法を使わないようにという注意がありました。今学期の二週目にクィディッチの予選があります。寮のチームに参加したい人はマダム・フーチに連絡してください」
これは、ロンが参加したいじゃないだろうか。
私は興味が無いから、クィディッチに参加するつもりはないけれど、見てみたいという気持ちはあった。
「最後ですが、とても痛い死に方をしたくない人は、今年いっぱい四階の右側の廊下に入ってはいけません」