第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
城の中は暗かった。
だけど、城の中では先生やゴースト等が2人ずつ組になって歩いている。
バレないように、気づかれないように。
私たちは樫の扉をそっと開けながらハグリッドの小屋へと早足で向かった。
そして小屋の前に辿り着くと、私たちはマントを脱ぐ。
「ハグリッド」
声をかけながら扉を叩いた。
すると直ぐにハグリッドは私たちに石弓を突きつけながら現れて、後ろの方にはファングが吠えている。
「おぉ」
ハグリッドは私たちだと気がつくと、石弓を下ろした。
「驚いたわ……!」
「俺だって驚いたわい。3人ともこんな所で何しとる?」
「それ、何のためなの?」
私たちは小屋に入ると石弓を指さした。
「なんでもねぇ……なんでも。ただ、もしかすると……うんにゃ……座れや……茶、入れたるわい……」
ハグリッドは上の空で呟きながら、ヤカンから水をこぼして危うく暖炉の火を消しそうになっていた。
どうもハグリッドの様子がおかしくて、私は彼を見ながら首を傾げる。
「ハグリッド、あなた大丈夫?上の空よ」
「うん、そうだよ。大丈夫?ハーマイオニーのこと、聞いた?」
「あぁ、聞いた、たしかに」
そう言いながら、ハグリッドはしきりに窓の方を不安そうに見ていた。
不安そうにしながらも、マグカップにお湯を入れてティーバックを忘れているものを私たちに差し出す。
その時だった。
トントンと扉を叩く音が聞こえ、ハグリッドはフルーツケーキを落として、私たちは慌ててハリーの透明マントを被る。
そしてハグリッドはまた石弓を持って扉を開ければ、そこにはダンブルドアが立っていた。
「こんばんは、ハグリッド」
ダンブルドアの後ろには見知らぬ人が立っていた。
背は低いけれど恰幅が良くて、白髪頭の人にロンが小声で囁く。
「パパのボスだ!ほら、アリアネ、前に新聞でも見ただろう?コーネリウス・ファッジ、魔法大臣だ!」
「そうだわ、その人だったわ。魔法大臣」
私はようやく誰なのかわかり、魔法大臣が居ることに驚いていた。
そしてチラリとハグリッドを見れば、彼は青ざめた表情を浮かべている。
「状況はよくない。ハグリッド」
魔法大臣はそう呟いた。
「すこぶるよくない。来ざるえなかった。マグル出身が4人もやられた。もう始末に負えん。本省が何かしなくては」