第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
リー・ジョーダンは指を折りながら呟き始めた。
「先生がはだーれも気づかないのかな?スリザリン生はみんな無事だ。今度のことは、全部スリザリンに関係してるって、誰にだってわかりそうなもんじゃないか?スリザリンの継承者、スリザリンの怪物。どうしてスリザリン生を全部追い出さないんだ?」
リーの演説に、グリフィンドール生はばらつきはあるけれども拍手をした。
そんな中で、パーシーはリーの言葉を聞いていないのかボーと青白い顔をしていた。
「パーシーはショックなんだ」
ジョージはハリーとアリアネに囁きながら、パーシーを見ていた。
「あのレイブンクローの子、ペネロピー・クリアウォーター、監督生なんだ。パーシーは怪物が監督生を襲うなんてけってしてないと思ってたんだろうな」
「そうなのね……」
アリアネはそう答えたけれども、半分心ここに在らずという状態。
思い浮かべているのは石となってしまったハーマイオニーであり、閉鎖することになったらハーマイオニーはどうするのだろうと思っていた。
そして閉鎖すれば、ハリーはダーズリー家に戻る。
もしそうなればハリーはどうなってしまうのだろうかと、友人2人への不安が大きくなるばっかりだった。
「どうしたらいいんだろう?」
ロンはハリーとアリアネに囁く。
そしてハリーは決心した。
「ハグリッドに会って話さなくちゃ。今度はハグリッドだと思わない。でも、前に怪物を解き放したのが彼だとすれば、どうやって『秘密の部屋』に入るのか知っているはずだ。それが糸口だ」
「だけど、マクゴナガルが、授業の時以外は寮の塔から出るなって」
「いまこそ、父さんのあのマントを、また使う時だと思う」
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ーアリアネ・イリアス・フリートsideー
私は談話室で1人、ハリーとロンを待っていた。
寝室にはいつも一緒のはずのハーマイオニーがいなくて、それが酷く寂しくて辛い。
そう思いながら火が消えた暖炉を見つめていれば、足音が聞こえた。
「アリアネ」
ハリーの声が聞こえる。
振り返れば、ハリーの顔だけがそこに浮かんでいた。
そして彼は手を見せると、私へと手招きしてから私は彼へと近づき見えないマントの中へと入り込んだ。
「行こう、ハグリッドの所へ。バレないように気をつけながらね」