第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
「中止……?どうしてなのかしら」
「分からないな。でも、何かあったということなんだろう?マクゴナガル先生が中止だなんて言うなんて」
アリアネはふと、嫌な予感に襲われた。
説明しきれない胸のざわつきと苦しさ、そして不安感が押し寄せてきていた。
そんな中でも、マクゴナガルはメガフォンで試合中止について叫んでいる。
野次と怒号は未だに続いていて、オリバー・ウッドが試合をさせてほしいと懇願したが、マクゴナガルはそれを良しとはしなかった。
「全生徒はそれぞれ寮の談話室に戻りなさい。そこで寮監から詳しい話があります。みなさん、できるだけ急いで!」
生徒たちは不満げにしながらも、列を作ってそれぞれの寮の談話室に戻っていく。
だがアリアネとロンは、ハリーとマクゴナガルが一緒にいるのを見つけてそちらへと走っていった。
「マクゴナガル先生!」
「そう、フリートとウィーズリー。あなた達も一緒に来た方がよいでしょう」
その言葉にアリアネとハリーにロンは顔を見合わせた。
マクゴナガルはそんな3人に着いてくるように言うと歩き出し、3人も驚きながらもついて行く。
4人は城へと戻り、大理石を歩いていく中でアリアネは並ならぬ不安を抱いていた。
(なんだろう……この胸騒ぎ……)
胸を抑えていれば、マクゴナガルが呟いた。
「少しショックを受けるかもしれませんが、また襲われました……また2人一緒にです」
3人は医務室に連れてこられた。
そこではマダム・ポンフリーが慌ただしく動いており、彼女の近くのベッドにいる人物を見て、アリアネは悲鳴に近い声で叫んだ。
「ハーマイオニー!?」
ハーマイオニーは、石となっていた。
目は見開かせたまま、コリンやジャスティンに首無しニックのように固まっている。
「嘘でしょう、そんな……ハーマイオニー!ハーマイオニー!!」
「落ち着きなさい、フリート」
アリアネのカージナルレッドの瞳からはボロボロと大粒の涙が溢れ出していた。
そんな彼女を見たハリーは眉を下げながら、ハーマイオニーの隣にレイブンクローの女生徒がいるのに気がつく。
彼女もまた、ハーマイオニー同様に石となっていた。
「2人は図書室の近くで発見されました。2人とも、これが何だか説明できないでしょうね?2人のそばの床に落ちていたのですが……」