第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
「そうなんだ」
誰がトム・リドルの日記を盗んだのか。
そう話し合ったが、結局誰が盗んだのか検討も付かずにこの話は終わってしまった。
翌朝。
この日はクィディッチの試合日であり、ハリーはアリアネやロンにちゃんと食事をするようにと勧められていた。
そんな時、ハリーとアリアネはとある声が聞こえたのである。
「今度は殺す……引き裂いて……八つ裂きにして……」
大広間を出て、大理石の階段に2人が足をかけた時だった。
体の奥底が冷えてしまうような、あの声が響いてきて2人は同時に叫んでしまう。
驚いたハーマイオニーとロンは思わず2人はの傍から飛び退いてしまった。
「あの声だ!アリアネ、聞こえたよね?」
「聞こえたわ、はっきりと」
「君たちは?」
ハリーとアリアネはロンとハーマイオニーを見るが、ロンは目を見開かせたまま首を横に振る。
また2人にしか聞こえなかったのだと思っていれば、ハーマイオニーは突然何かを思い出したかのような表情を浮かべた。
「ハリー、アリアネ。私、たったいま、思いついたことがあるの!図書室に行かなくちゃ!」
「え、ちょ、ハーマイオニー!?」
彼女はアリアネに呼ばれたが、それが聞こえてないのか階段を風のように上がってしまった。
「行っちゃたわ……」
「何をいったい思いついたんだろう?」
「分からないわ……。どうしたのかしら、急に」
アリアネはハーマイオニーの行動に首を傾げながらも、ハリーと同様、何処から声がしたのかと探っていた。
直接脳裏に呼びかけるようなあの声、体の奥底が冷えきってしまうのではないかと思うぐらいの声。
何処から聞こえたのだろうか。
そう思いながら天井を見上げたり、壁を見たりとしていればロンは首を振りながら言った。
「計り知れないね」
「だけど、どうして図書室なんかに行かなくちゃならないんだろう?」
「ハーマイオニー流のやり方だよ。何はともあれ、まずは図書室ってわけさ」
そしてハリーはクィディッチの試合の為に急いで更衣室へと向かった。
もちろんアリアネとロンは応援をする為に、競技場へと向かったがそこで驚くことが起きたのである。
「この試合は中止です」
マクゴナガル先生が、メガフォンでそうアナウンスしたのである。
その場には野次と怒号が広まり、誰もが驚愕していた。